形成外科

患者さんへ

当科では主に、体の表面に見られる生まれつきの異常(頭蓋顔面の変形、唇裂・口蓋裂など唇や口の中の異常、小耳症などの耳の異常、先天性の眼瞼下垂などの瞼の異常、臍ヘルニアなどの体幹の異常・多趾症・合指症などの手足の異常など)、顔の骨折、手術などで失った組織を皮膚移植やマイクロサージャリーなどの手技を用いた組織移植を行い再建する治療を行っております。
またケロイドや傷痕のひきつれ、皮膚の良性・悪性腫瘍等に対する治療を行っております。さらに、血管腫やあざなどに対するレーザー治療も行っております。外来では診療の他に、日帰りの局所麻酔下の手術も行っております。気になる「できもの」や「きずあと」、なかなか治らない「きず」など、気軽にご相談ください。

当科の特色

  1. 顔面外傷(骨折)、頭蓋顔面の異常や変形に対する治療
  2. 口唇裂、口蓋裂の総合的で特長ある治療(矯正歯科や言語療法士とのチーム医療)
  3. その他の先天異常の治療(小耳症・副耳・多合指症・第一第二鰓弓症候群・頭蓋縫合早期癒合症など)
  4. 組織の欠損に対するマイクロサージャリーによる治療
  5. 皮膚悪性腫瘍の切除と整容面と機能を考慮した再建
  6. 乳がん切除後の乳房再建
  7. リンパ浮腫に対するマイクロサージャリーによる治療
  8. ケロイド、瘢痕拘縮など形成外科一般疾患の治療
  9. 眼瞼下垂、逆まつ毛等の眼瞼の疾患の治療
  10. 顔面神経麻痺の治療
  11. あざ・シミなどに対するレーザー治療を中心とした各種の治療
  12. 巻爪、陥入爪に対する矯正治療(自費治療)、手術治療

主な対象疾患

  • 生まれつき上唇にくびれがある状態のことを言います。唇裂初回手術はミルクを飲むことをたすけることを目的として、生後3カ月目に行います。口蓋裂の手術は言語発達に影響を与えるため発語し始める時期である1歳半頃に手術を行います。さらに上顎に裂け目がある場合(顎裂)には丁度犬歯が生えてくり時期である8~9歳前後に腸骨を移植する手術を行います。
  • 顔面骨とは顔面の骨格を形成する骨のことです。非常に複雑な形をしており顔の形態と機能に重要な役割を果たしています。その為、顔面骨骨折が生じますと様々な症状が出現します。当科では上・下顎、前頭骨、頬骨、鼻骨骨折などあらゆる顔面骨骨折に金属プレート・吸収性プレートを含めた整復固定手術を行っています。
  • 当科では合指(趾)症、多指(趾)症、多合指(趾)症の治療を行っており、通常はレントゲンでしっかり骨の確認できるようになる1歳前後で手術をします。また裂手・裂足症や巨趾症のような希少な手足の先天異常に関しても治療を行っております。
  • 小耳症に対する耳介形成術は、通常のタイプであれば耳介のフレームを移植する1回目の手術と耳を立てる2回目の手術で完成します。フレームは肋軟骨を用いて作成します。手術時期の目安はおよそ10歳、胸囲(胸と腹の境界で)60cmですが、顔の手術が必要な子供さんは、数年遅らせることが良い場合があります。
  • 頭頚部癌術後や脳外科手術後、外傷後などに組織の欠損が見られる場合に腹部や大腿部、広背筋などから皮弁を移植して組織の再建術を行います。その際にはマイクロサージャリーを用いて血管吻合を行い、血流が保たれた組織を欠損部へ移植・再建をすることで患者さんの生活の質向上を図っています。
  • 乳房再建は、失われた乳房に対してご自身の組織(自家組織)や人工乳房(インプラント)を用いて再建する方法です。自家組織を用いる方法には、主にお腹の皮膚・脂肪を血流を維持したまま移植する方法(遊離腹部穿通枝皮弁、腹直筋皮弁)や背中の皮膚と筋肉を血流を維持したまま移植する方法(広背筋皮弁)があります。また近年脂肪注入を用いて乳房再建術を行う方法も研究されています。乳腺外科とも密に連携を取りながら患者さんにより安心で整容的な乳房再建を心がけております。陥没乳頭、副乳、女性化乳房の手術も行っています。
  • 近年長寿大国となり、皮膚悪性腫瘍も増加をたどっています。当科でも御高齢者の皮膚悪性腫瘍が、近年増加しています。当科では化学療法は皮膚科と連携し、悪性腫瘍の切除および再建を積極的に行っています。皮膚悪性腫瘍に対する根治性を一番に考えながらも、可能な限り整容的・機能的に良好な再建を心がけております。
  • 前項で述べたリンパの流れが何らかの原因で悪くなり、下肢や上肢がむくむことをリンパ浮腫と言います。本邦では80%以上の患者さんが癌の治療術後にリンパ浮腫を発症します。当科ではリンパ浮腫に対しリンパ管静脈吻合術などの手術療法を施行しています。
  • 顔面神経麻痺の手術には、静的再建術と動的再建術があります。静的再建術ではたるんだ皮膚を切除することによって、垂れ下がった眉毛や上まぶたや頬を引き上げたり、筋膜などで吊り上げたりします。動的再建術では自分の他の筋肉(側頭筋(咬むときに使う筋肉)や広背筋(脇の下の筋肉)などをマイクロサージャリー技術を用いて移植(移行)し、顔面の筋肉の動きを再現させる方法です。
  • 肥厚性瘢痕やケロイドは、創傷治癒後も傷が赤く盛り上がったものを言います。治療は、局所注射、外用剤、圧迫、手術などがあります。また手術後の再発を防ぐために放射線科と連携し電子線照射を行うこともあります。瘢痕拘縮とは、創が縮んで引きつれることで、関節部のひきつれ、顔面部では開瞼障害、開口障害など機能的障害を引き起こします。それらに対して当科では手術による治療を行っています。
  • 眼瞼下垂症とは、まぶたが下垂して見えにくい状態です。上眼瞼の皮膚がたるんで視界を遮っている場合は余剰な皮膚の切除を行います。瞼を上げる力が弱っている場合は瞼を上げる挙筋腱膜というスジを補強する手術を行います。また生まれつきなど極端にまぶたを上げる力が弱い場合は大腿筋膜を移植し前頭筋の力をかりてまぶたを上げらえるようにする手術を行います。また逆まつ毛を矯正する手術も行っております。
  • あざやしみに対して一定の波長の光を当てることであざやしみを薄くする治療です。当科では赤色のあざに効果的な色素レーザー(Vビーム)と青あざに効果的なピコレーザーを用いて治療を行っております。
  • 当科では巻き爪・陥入爪に対して爪矯正(VHO法、超弾性ワイヤーを用いる方法など)、陥入爪手術などを行っています。また曲がった爪を切除した後に、原因となる部分の爪母をフェノールや手術で取り除く場合もあります。

主な検査

セファログラム解析 / 言語検査 / エコー / リンパ管シンチグラフィー

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施設認定

  • 日本形成外科学会専門医認定施設

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