人生会議してみませんか
(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)

人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)とは

人は誰でも命に関わるような病気やケガをすることがあります。そうなった時、約70%の人が医療やケアについて自分で決めたり、人に伝えたりすることができないと言われています。
そこで、いざという時のために、あなたが望む医療やケアについて、前もって考え、周囲の信頼する人たちと共有する取り組みを人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)といいます。
人生会議は、あなたが希望する医療やケアを受けるための大切なプロセスです。

人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)の進め方

人生会議はどのように進めていけばよいでしょうか。
以下のような流れで進めていくことができます。
ただ、一度で全部決めてしまう必要はありません。
ご自分のペースで、ご家族や身近な医療者と話し合いながら進めていきましょう。

ステップ1

治療する際に大切にしたいことを考えてみましょう。

例えばご家族や友人のそばにいたい 趣味や好きなことを続けたい 仕事や社会的な役割を続けたい 好きな物が食べられること 落ち着いた環境で過ごしたい など

ステップ2

あなたの思いを伝えてくれる人を選びましょう。

例えば息子 奥さん

病状などにより自分の考えや気持ちが伝えられなくなったときに、第1段階(ステップ1)で考えたあなたが「大切にしたいこと」を伝えたり、尊重してくれたりする人を選びましょう。
複数人となることもあります。

ステップ3

希望する医療やケア、望まない医療やケアについて、ご家族や身近な医療者と話し合いましょう。

あなたが希望する医療やケアについてご家族や身近な医療者に理解してもらうため話し合ってみましょう。病状などによりご自分の考えや気持ちが伝えられなくなったときに、ご家族が代わりに医療やケアについて難しい判断をする重要な助けとなります

どんな治療やケアを受けたいですか?  病気と闘って少しでも長く生きたい 延命処置は避けたい 痛みや苦しみが無く過ごしたい など  どんなところで療養したいですか?  できるだけ住み慣れた自宅で過ごしたい  病院や施設で療養したい など

ステップ4

話し合った内容を書き留めておきましょう。

人生会議を行うことで、いざという時に、あなたの価値観や希望を尊重した医療やケアを検討することが可能になります。大阪府が発行している「人生会議の記録」などを用いて記録しておくとよいでしょう。
記録した用紙は、ご家族や身近な医療者に渡して共有しましょう。

ステップ1からステップ4を繰り返し考え、話し合いましょう。
病状や周囲の状況は時間の経過とともに変化するため、一度で決める必要はありません。何度でも見直しできます。
気持ちが変化した時は、ご家族や身近な医療者と話し合い、共有するようにしましょう。

人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)をするメリット、デメリット

人生会議(ACP)を行うと、あなたやご家族、身近な医療者に以下のようなメリット・デメリットがあります。


 

メリット

  • 将来のことをじっくり考えることができます                   
  • ご自分の希望や価値観を尊重した医療やケアを検討することができます
  • ご家族があなたの代わりに医療やケアについて難しい判断をする時に重要な助けとなり、ご家族の負担や悲しみが軽減されます

デメリット

  • ご自分の病状に向き合う機会が増え、つらい気持ちになることがあります
  • 話し合いには時間や手間がかかることがあります
  • ご自分の考えが変わることがあるので、見直しが必要です


人生会議(ACP)を始める時期に決まりはありません。
人生会議はご自分の価値観や希望を伝えられる前向きな取り組みです。
あまり難しく考えすぎず、まずは人生会議を知り、ご家族と話し合うところから始めましょう。

当院の外来窓口に 大阪府 ACP記入用紙「人生会議の記録」を設置しています。お手に取ってご覧いただき、ご活用ください。
下記リンクからもご覧いただけます。

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