神経難病センターのご案内
これまで大阪神経難病医療ネットワーク幹事施設および三島医療圏難病ネットワークの主管医療機関として、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、多発性硬化症、パーキンソン病関連疾患などの神経難病の医療を行ってまいりましたが、より一層の診療充実にあたるために神経難病センターを開設しました。
神経内科専門医が筋萎縮性側索硬化症や脊髄小脳変性症などの神経難病疾患の診療に専念すると共に、看護部門をはじめ、リハビリテーション療法士、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカーおよび訪問看護ステーションなどとの密接な連携のもとに、患者さんの療養生活の質の向上を目指してさまざまな取り組みを行います。
また、当センターでは難病在宅患者さんの訪問診療をかかりつけ医とも同行して患者さんのその時、その時の機能に合わせた対応を行い、長期にわたって快適に過ごせる療養環境を提供できるように努力しています。さらに難病そのものの理解を深めて頂くための医療従事者研修、行政と協力した神経難病対策事業への協力、連携・協力医療機関や福祉施設への指導と助言なども行い神経難病患者さんに対する支援体制を整備してまいります。 神経難病センターをよろしくお願いします。
(文責 石田 志門)
炎症性腸疾患センター(IBDセンター)について
炎症性腸疾患には主として潰瘍性大腸炎とクローン病といういずれも原因不明の慢性難治性腸炎が含まれます。潰瘍性大腸炎では主として大腸に、クローン病では小腸と大腸にびらんや潰瘍ができ、下痢や血便といった腸の症状から皮膚炎・関節痛・痔ろうや膿瘍といった腸の症状以外の病状が引き起こされます。
また、クローン病に比較的似た症状を呈する腸管ベーチェット病も炎症性腸疾患に含まれます。これらの疾患は、すべての治療法も依然として未確立、かつ生活面で長期にわたり支障を伴うために、国が行う難治性克服研究事業の中の特定疾患治療研究事業の対象となっており、当科も研究事業に参加・協力しています。
わが国の羅患率や有病率は欧米に比べて依然として低率ではあるものの、生活様式の欧米化に伴って、1970年代以降、急激に増加し、平成25年には潰瘍性大腸炎に16万人強が、クローン病に約4万人がそれぞれ登録されています。登録数はその後も勢いを緩めずに増え続けています。一方で、原因は不明であるものの、2000年代以降は免疫調節薬や生物学的製剤といった新たな治療法の登場により治療成績は向上していますが、より専門性の高い診療が現場では求められるようになりました。
そこで、増え続ける患者様と急速に進化する先進的な治療に対応するため、当院では“炎症性腸疾患センター”におきまして先進医療を提供する特定機能病院として、また、地域の中核病院としてこれらの疾患に対応させて頂くことにしております。ますます医療の質を高め、充実した診療体制の確立を目指していきたいと考えております。
リウマチ膠原病センターの紹介
リウマチ膠原病内科 武内 徹
リウマチ・膠原病の医療は近年、格段に進歩すると共に専門性が高まっています。
また、その多くは難病に指定されています。そこで、当院でもこれらの患者さまの窓口としての難病総合センター内にリウマチ・膠原病センターを設けることといたしました。
当センターで診療を行う疾患は膠原病では、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症(全身性硬化症)、混合性結合組織病、皮膚筋炎/多発性筋炎、シェーグレン症候群、血管炎群(高安動脈炎(大動脈炎症候群)、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症(ウェーゲナー肉芽腫症)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(アレルギー性肉芽腫症性血管炎)など)やリウマチ性疾患として関節リウマチ(膠原病でもあります)、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、スティル病、リウマチ性多発筋痛症、再発性多発軟骨炎などや、その他の類縁疾患としてベーチェット病、IgG4関連疾患、サルコイドーシス、原発性抗リン脂質抗体症候群などがあります。その中で特に難病に指定されている以下の疾患を中心に診療します。
それらには全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症(全身性硬化症)、混合性結合組織病、皮膚筋炎/多発性筋炎、シェーグレン症候群、高安動脈炎(大動脈炎症候群)、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症(ウェーゲナー肉芽腫症)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(アレルギー性肉芽腫症性血管炎)、悪性関節リウマチ、強直性脊椎炎、成人スティル病、再発性多発軟骨炎、ベーチェット病、IgG4関連疾患、サルコイドーシスがあります。
これら疾患に罹患している患者さまを診ておられる病院の先生方や開業医の先生、さらにこれら疾患の患者さんご自身で受診の希望、相談、セカンドオピニオンの希望等がございましたら、当センターまでお問い合わせ頂ければと存じます。