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検査
下部消化管内視鏡
下部消化管内視鏡検査(主に大腸領域)
下部消化管疾患の診断の中心となる検査であり、内視鏡的特徴から診断を進め、病理組診断を付け加えることで確定診断に至ることができます。
通常観察、NBI(Narrow band imaging)、インジゴカルミン散布により病変の性状(発赤、びらん、潰瘍、浮腫など)、罹患範囲(部位、連続、非連続、びまん性)、個数(単発、多発)により診断します。腫瘍性疾患において深達度診断を要する早期癌の場合には、NBIおよび,病変粘膜へのクリスタル・バイオレット染色拡大観察を行い、病変の形態を総合的に診断してから、治療方法を選択します。
下部消化管内視鏡検査を受けるには、腸の中を洗浄する処置が必要となります。
原則予約検査となるため、詳しくは外来主治医にご相談下さい。
但し、持続する血便症状がある場合は、消化器内視鏡専門医の判断により、緊急内視鏡の適応となる可能性がありますので、電話相談の上ご来院して下さい。
治療
1.腺腫、早期大腸癌
径20mmまでの大腸腫瘍に対してはEMR(内視鏡的粘膜切除術:Endoscopic mucosal resection)を行っていますが、径10mm未満の病変に対しては通電を行わない、CSP(Cold snare polypectomy)も行っています。また、20mm以上の病変や、20mm以下でも線維化が疑われるなどEMRでの一括切除困難が予想される病変に対してはESD(内視鏡的粘膜下層剥離術:Endoscopic submucosal dissection)を行っています。
[ 腫瘍 早期大腸癌の診断治療 ]
インジコカルミン(青色色素)液をかけることによって病変部が境界明瞭に、描出されます。
特殊光(NBI)を用いて、病変部の血管構造を観察します。
クリスタルバイオレット染色による拡大像では拡張した血管および小型の腺管分布を認めます。
内視鏡治療適応病変と考え、ESDを施行します。
出血・穿孔等の偶発症はなく、切除が完了しています。
切除標本を確認し、その後病理診断となります。
2.進行癌
狭窄を来たした進行癌に対して、術前の減圧や症状緩和目的にて大腸ステント留置を行っています。
手術による治療が必要と判断された場合は、院内連携により速やかに当院消化器外科へ紹介致します。
3.腸閉塞
従来の透視下でのイレウス管挿入に加え、経鼻内視鏡を用いての挿入も行っています。また、大腸に閉塞機転がある場合には、経肛門的イレウス管を挿入します。
4.小腸疾患
腫瘍や出血源となる病変に対して小腸内視鏡を用いた処置APC(アルゴンプラズマ凝固法:Argonやclippingなど)を行っています。
5.炎症性腸疾患(IBD)
潰瘍性大腸炎とクローン病を代表とした炎症性腸疾患は、慢性的に下痢や血便を来す原因不明の難病であり、近年、わが国において患者数が年々増加しています。
また,腸管ベーチェット病、腸結核やアメーバ腸炎などの腸管感染症、血管炎関連病変などの診断、治療も致します。
便が軟らかい、お腹が痛い、粘血便など腸の症状で、お悩みの方がいらっしゃいましたら、まずは気軽に、消化器内科の専門機関「炎症性腸疾患センター」にご相談下さい。
潰瘍性大腸炎の活動期では、大腸に慢性的な炎症をきたし、上記写真のように腸粘膜が発赤調・浮腫状となり出血もしやすい状態となっています。