がんゲノム医療連携病院

大阪医科薬科大学病院 がんゲノム医療連携病院に指定

患者さんのがん組織の遺伝子変異に適した治療を行うことをがんゲノム医療と言います。第3期がん対策推進基本計画においてがんゲノム医療の推進が掲げられ、厚生労働省は全国にがんゲノム医療中核病院・がんゲノム拠点病院・がんゲノム医療連携病院を指定しました。

大阪医科薬科大学病院は2018年4月1日にがんゲノム医療連携病院の指定を受けています。

患者さんへ

がんゲノム医療とは

がんゲノム医療とは、患者さんのがんに生じている遺伝子の変化を網羅的に調べ、その結果を利用して最適な治療法を選択するものです。これまでのがん種ごとの治療法選択に加え、遺伝子の変化に応じた治療方法を検討するものです。

 

がんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)とは

次世代シーケンサー(Next Generation Sequencer:NGS)という遺伝子解析技術により遺伝子を一度に網羅的に短期間に調べることが可能となりました。
遺伝子の変化に基づいて分子標的治療薬が選択されるようになり、がん細胞の遺伝子を調べることの意義が高まりました。このようにNGSを用いてがん細胞の遺伝子を調べることを、がんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)と呼びます。

がん遺伝子パネル検査について

 

医療関係者の方へ

がんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)結果を用いた医療提供と注意点

がん遺伝子パネル検査の結果、がん細胞の遺伝子の変化が検出され、その変化に対する治療薬の治験や先進医療、臨床試験の情報を得ることができます。検体提出後、検査結果説明までの期間は、遺伝子パネル検査によって異なり数ヶ月かかる場合もあります。
ただし、現時点では、治験や臨床試験をはじめとする治療につながる割合は10-20パーセント程度と考えられます。有効な情報が得られない可能性も十分あることをご理解頂き、患者さんにもご説明下さい。遺伝子の変化に基づいた治験や先進医療は現時点では少なく、未承認薬を適応外使用する場合には非常に高額な費用がかかるという問題点もあります。

がんゲノム医療において,解析対象にはなっているが本来の検査目的(一次的所見)ではない遺伝子所見が得られることがあり、特に生殖細胞系列に病的と確定できる遺伝子の変化が検出されることを二次的所見(secondary findings)と呼びます。二次的所見はなんらかの遺伝性疾患に関連することがあり、ときに患者さんご本人やそのご家族の健康に強く影響するものです。本院では、遺伝、遺伝子に関する問題で悩みや不安をお持ちの患者さんを支援するため遺伝カウンセリングを受けることができます。

 

がんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)の種類

  • FoundationOne® CDx/FoundationOne® Liquid CDx がんゲノムプロファイル(保険適応)

FoundationOne®(ファウンデーション・ワン)はがんに関連した324遺伝子を調べます。

 

保険適応の対象となる方

1. 下記いずれかに該当する患者

  • 標準治療実施後にがんの進行が確認され、次治療を検討している固形がん患者
  • 原発不明がん患者。
  • 標準的な治療法が確立されていない希少がん患者。

2. 全身状態及び臓器機能等から、本検査施行後に薬物療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した患者(予後が3か月以上見込めるなど)。

 

  • OncoGuide™ NCCオンコパネル(保険適応)

NCCオンコパネルはがんに関連した114遺伝子を調べます。保険診療下で検査が可能です。FoundationOneと異なり、正常血液(2ml以上)の採取(本院での採血)が必要になります。マッチドペア検査(非腫瘍組織である血液と腫瘍組織を比較解析)という手法を用いるため、体細胞の変化と生殖細胞系列の変化(二次的所見)の判別がしやすいという特徴があります。

 

保険適応の対象となる方

1. 下記いずれかに該当する患者

  • 標準治療実施後にがんの進行が確認され、次治療を検討している固形がん患者
  • 原発不明がん患者。
  • 標準的な治療法が確立されていない希少がん患者。

2. 全身状態及び臓器機能等から、本検査施行後に薬物療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した患者(予後が3か月以上見込めるなど)。

 

がんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)を受けるまで

がんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)の初診は、紹介元医療機関からの臓器別診療科の予約が必要になります。(例;肺癌であれば呼吸器内科・呼吸器腫瘍内科)がん遺伝子パネル検査を実施する際には、予約時に担当医へ下記情報を共有していただく必要があります。お手数をおかけいたしますが、円滑ながん遺伝子パネル検査実施に向けご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。

 

【お申込み方法】
  1. 下記の書類をダウンロードしてご記入ください。
    @ 大阪医科薬科大学病院FAX紹介申込書(PDF)
    A 検体情報と臨床経過サマリー(エキスパートパネル用)(PDF版)
      検体情報と臨床経過サマリー(エキスパートパネル用)(word版)

    エキスパートパネルとは
    がんゲノム医療中核拠点病院と連携し開催されている、“パネル検査の解析結果について複数の専門家で構成される検討会”のことです。そこで、先生からご提供いただいた下記情報を参考に、遺伝子の変化に効果が期待できる薬があるかどうかの検討、二次的所見(生殖細胞系列の遺伝子の変化)の検討などを行います。(本院は近畿大学病院と連携し、検討を行っています。)

  2. @ Aと「診療情報提供書」を本院医療連携室にFAX送信してください。

  3. 受診日程が決まりましたら、医療連携室から受付確認票(予約票)をFAX送信いたします。担当医師と相談のうえ日程を決めますので、日程返信までに数日かかります。
  4. 患者さんのがん種に合わせて検体をご準備ください。
    下記【検体のご提供】参照
  5. 患者さんに下記のものをお渡しください。
    • 受付確認票(予約票)
    • 診療情報提供書
    • 検体情報と臨床経過サマリー
    • 検体(検体説明書添付)

 

【検体のご提供】
がんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)では、遺伝子解析のために、
がん組織由来の核酸サンプルが必要です。そのためがんを含む組織(※)の病理ブロック、またはホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)切片をご提供いただきます。

検体説明書(ブロック薄切条件)
「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル;F1CDx」用(PDF)
「OncoGuide™ NCCオンコパネル」用(PDF)

(※)がんを含む組織:がんの病理検査のために行った生検のサンプルあるいは手術の際に採取した組織サンプルを用います(ホルマリン浸漬時間48時間以内、採取後3年以内が望ましい)。

(ご注意)組織検体の量が不足、又はホルマリン浸透時間が長い・古い検体など組織検体の質的不良がある場合、検査を行っても「解析不能」となることがあります(再生検が可能であれば、追加で提出可能です)。この解析不能の場合でも検査費用はお支払い頂く必要があります。

頂いた情報は、がんゲノム医療のエキスパートパネルに必須の情報となりますので、迅速なパネル検査実施と患者さんへ結果説明を行うためご協力をお願い致します。
ご注意:エキスパートパネルによる検討を経なければ患者さんに検査結果説明を行うことができません。

 

(お問い合わせ先)
○検査内容については、主治医を通じて各診療科へ(072-683-1221(代表))
○予約については、医療連携室へ(072-684-6338(直通))

 

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〒569-8686
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