肝疾患に対する助成制度
肝疾患をお持ちの方に対する助成制度について
肝疾患に関する検査・治療においては、さまざまな助成制度が存在します。
助成制度は、検査に関するもの、ウイルス性肝炎の治療に関するもの、
重症の肝疾患の治療に関するものなど、それぞれにおいて助成内容や対象者が異なります。
当ページでは、下記の(1)~(4)の4つの制度について解説していきます。
(1)肝炎初回精密検査の費用助成
(2)B型・C型肝炎の医療費助成制度B型
(3)肝がん・重度肝硬変医療費助成制度
(4)身体障害者手帳
肝炎初回精密検査の費用助成
大阪府では、肝炎ウイルス検査の結果が陽性の方を対象に、大阪府肝炎専門医療機関で初回精密検査を受けた際の検査費用の自己負担分の一部を助成します。※1回に限り助成。
大阪府に住所を有する方で以下の条件をすべて満たす方
(1)医療保険各法の規定による被保険者または被扶養者
(2)以下のいずれかを受け、請求日の前1年以内に陽性と判定された
(結果通知を受け取った)方
① 大阪府が実施する肝炎ウイルス検査(委託医療機関の検査を含む)、
② 市町村が実施する健診における肝炎ウイルス検診(委託医療機関の検診を含む)
③ 事業主や職域の保険者が、健康診断や人間ドック等において実施する肝炎ウイルス検査
(=職域の肝炎ウイルス検査)
④ 市町村が実施する妊婦健診の肝炎ウイルス検査
⑤ 手術前1年以内に行われた肝炎ウイルス検査
(3)大阪府肝炎専門医療機関で初回精密検査を受けた方
※妊婦健診及び手術前のウイルス検査で陽性と判定された方については、令和2年4月1日以降に初回精密検査を受けた方
(4)府又は市町村が実施する状況把握に同意した方
対象となる検査については大阪府の肝炎ウイルス検査陽性者の初回精密検査費用助成ホームページ
をご参照ください。
大阪府健康医療部保健医療室健康づくり課(郵送のみ)
① 肝炎検査費用請求書
② 肝炎ウイルス陽性者に係る状況把握同意書
③ 肝炎専門医療機関(精密検査)が発行した領収書・明細書
④ ウイルス検査の結果通知書
⑤ 払い込みを受ける口座の写し
・助成の方法は「償還払い」になることにご留意ください。
(償還払いとはサービスにかかる費用を一旦全額自己負担していただき、後日申請により大阪府から払い戻しを受けることです。)
B型・C型肝炎の医療費助成制度
B型・C型肝炎に対するのインターフェロン治療、
B型肝炎の核酸アナログ製剤治療及びC型肝炎のインターフェロンフリー治療(内服による治療)にかかる医療費を助成する制度です。
医療機関を受診又は保険薬局を利用する際に、
肝炎インターフェロン治療・インターフェロンフリー治療受給者証又は肝炎核酸アナログ製剤治療受給者証(以下「肝炎治療受給者証」と言います。)
を提示することで、保険診療に係る医療費の助成を受けることができます。
ただし市町村民税額に応じて自己負担限度額が生じます。
また、保険適用分の医療費のうち、肝炎治療受給者証に記載された月額自己負担限度額を超えて高額療養費の自己負担限度額までの額が助成対象となります。
次のそれぞれの項目を全て満たす方。
【肝炎インターフェロン治療・インターフェロンフリー治療医療費助成の場合】
① 住民票の住所地が大阪府内にある方
② B型又はC型ウイルス性肝炎、C型代償性肝硬変、C型非代償性肝硬変と診断された方
③ 肝炎インターフェロン治療・インターフェロンフリー治療の認定基準を満たしている方
④ 各種健康保険の被保険者又は被扶養者
【肝炎核酸アナログ製剤治療医療費助成の場合】
① 住民票の住所地が大阪府内にある方
② B型ウイルス性肝炎、B型代償性肝硬変、B型非代償性肝硬変と診断された方
③ 肝炎核酸アナログ製剤治療の認定基準を満たしている方
④ 各種健康保険の被保険者又は被扶養者
助成対象の医療行為はホームページをご参照ください。
申請窓口は対象者がお住まいの地域を管轄保健所又は保健(福祉)センターです。
保健所又は保健(福祉)センターでは、「B型・C型ウイルス性肝炎 患者さんへのしおり(交付申請の手引)」や、
申請書、診断書等の各種様式を配布しています。
① 肝炎治療受給者証交付申請書
② 医師の診断書
③ 健康保険等の被保険者証等の写し
④ 住民票の写し(世帯全員分)
⑤ 市町村民税課税年額を証明する書類(世帯全員分)
お住まいの地域を管轄する保健所(大阪市は各区保健福祉センター、堺市・東大阪市は各保健センター、寝屋川市は保健福祉センター)で、
申請を受付された月(または治療開始月)の初日から1年以内で、治療期間に即した期間です。
なお、C型ウイルス性肝炎のインターフェロンフリー治療医療費助成については、医師が継続治療を必要と認める場合、更新の申請ができます。
受給者の属する世帯全員の市町村民税(所得割)課税年額の合計額に応じて月額自己負担限度額が決定されます。
階層区分 | 月額自己負担限度額 | 世帯全員の市町村民税(所得割)課税年額の合計 |
甲 | 20,000円 | 世帯全員の市町村民税(所得割)課税年額の合計が235,000円以上の場合 |
乙 | 10,000円 | 世帯全員の市町村民税(所得割)課税年額の合計が235,000円未満の場合 |
受給者証が届いた後は、肝炎の治療診療時にこの肝炎治療受給者証を医療機関や保険薬局などに提示し、
受給者証と一体となっている月額自己負担額管理票に支払った医療費を記入してもらいます。
医療費の累計額が自己負担限度額に到達し、確認印を押印された後はその月末まで治療費は徴収されません。
なお、自己負担限度額管理票がいっぱいになり、書き込めなくなった場合は受給者証送付時に付いている空の票をコピーし、
下の管理票が見えるように貼り付けて使用してください。
肝がん・重度肝硬変医療費助成制度
B型・C型肝炎ウイルスが原因の肝がん・重度肝硬変と診断されている方の入院治療や通院治療に係る医療費の一部を助成する制度です。
肝がん・重度肝硬変の入院治療又は肝がんの通院治療(「分子標的薬を用いた化学療法」、
「肝動注化学療法」又は「粒子線治療」による通院治療に限る。)に係る医療費で、高額療養費算定基準額を超えた月
が助成対象月を含め過去1年間で3月以上ある場合、3月目以降の医療費について、患者様の自己負担額が1万円となるよう助成します。
肝がん及び重度肝硬変(非代償性肝硬変)は、慢性肝炎、肝硬変(代償性肝硬変)を経て進行していく一連の病態の最終段階とされ、
その多くは肝炎ウイルス(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス)が原因です。肝がんは再発率が高く、長期的に治療を繰り返すことが多い疾患です。
また、重度肝硬変では、肝性脳症、食道・胃静脈瘤、特発性細菌性腹膜炎等の合併症の治療を繰り返すことがあります。
B型・C型肝炎ウイルスに起因する肝がん・重度肝硬変患者の特徴を踏まえ、患者の医療費の負担の軽減を図ることを目的としています。
次の項目を全て満たす方。
① B型・C型肝炎ウイルスが原因の肝がん・重度肝硬変と診断されていること。
② 年収約370万円以下であること。
③ 肝がん・重度肝硬変の入院治療又は肝がんの通院治療(分子標的薬を用いた化学療法等※)を
受けていること。
※ 詳細は「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業の実務上の取扱いについて」別添4を参照
④ 上記の治療に係る医療費について、高額療養費算定基準額を超えた月が助成月を含め過去
1年間で3回以上あること。
申請窓口は対象者がお住まいの地域を管轄保健所又は保健(福祉)センターです。
① 申請書(役所に置いてあるもの)
② 臨床調査個人票
③ 保険証の写し
④ 限度額適用認定書
⑤ 課税証明書
⑥ 住民票
⑦ 医療記録表
必要な書類は年齢により異なる場合があります。下記をご参照ください。
申請時の年齢 | 70歳までの方 | 70~75歳までの方 | 75歳以降の方 |
申請書 | 〇 (全年齢必要) |
||
臨床調査個人票 | 〇 全年齢必要(指定医療機関の医師が記入) |
||
保険証の写し | 本人の保険証の写し | 本人の保険証と 高齢受給者証の 写し |
本人の後期高齢者 医療被保険者証の 写し |
限度額適用認定証 | 〇 (区分「エ」 または 区分「オ」) |
〇 (所得区分が「一般」の方は不要) |
|
課税証明書 | 不要 | 所得区分が「一般」の方のみ提出 | |
住民票 | 本人のみ(抄本) | 本人及び世帯全員分(謄本) | |
医療記録表 | 〇 肝がん・重度肝硬変の対象医療が過去12月において2月以上 (自己負担限度額が高額療養費算定基準額を超えるものに限る) |
身体障害者手帳
身体障害者手帳とは、「身体障害者福祉法」に基づき、都道府県知事が発行する手帳です。
身体障害者・身体障害児として、援助や保護を受けるための全国共通の制度です。
この身体障害者手帳があると、法律上で正式に身体障害者と認められ、割引や補助金などのいろんな援助を受けられるようになります。
肝疾患患者においても、肝硬変により日常生活が制限される患者が対象となります。
役所が実施する公的援助やサービスの他にも、身体障害者手帳があると電車の運賃や遊園地などでいろんな割引サービスが受けることができます。
身体障害者福祉法の規定に基づき、一定の期間以上永続する身体上の障害を持った方。
肝機能障害の程度に関しては以下の通りになります。
級別 | 障害の程度 |
1級 | 肝臓の機能の障害により日常生活活動がほとんど不可能なもの |
2級 | 肝臓の機能の障害により日常生活活動が極度に制限されるもの |
3級 | 肝臓の機能の障害により日常生活活動が著しく制限されるもの (社会での日常生活活動が著しく制限されるものを除く。) |
4級 | 肝臓の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
5級 | 該当なし |
6級 | 該当なし |
申請窓口はお近くの福祉事務所又は市役所です。
具体的な手続方法等については、お住まいの市町村の担当窓口にお問い合わせください。
① 申請書(役所に置いてある)
② 医師の診断書 ※1
③ 写真(上半身 縦4cm×横3cm)
④ マイナンバーを確認できる書類
申請してから手帳が発行されるまで、約1か月程度かかりますのでご注意ください。
身体障害者手帳の医師の診断書に関しては、身体障害者福祉法により都道府県知事の指定を受けた指定医師の記載が必要になります。
申請を希望される場合は、主治医とよくご相談の上ご検討ください。(※1)