自己免疫性肝炎(Autoimmune hepatitis : AIH)
自己免疫が関与している肝炎であり、難病に指定されています。
副腎皮質ステロイド剤などの薬で治療を行えば制御することも可能ですが、勝手に中断すると増悪します。
自己免疫性肝炎は50~60歳代の中年女性に好発し、慢性の経過で進行性に肝障害を引き起こす病気です。
原因は不明ですが、自身の免疫が関与していると考えられています。
初期症状は体のだるさ、疲れやすい、食欲がないなどがありますが、自覚症状は比較的軽く、
健康診断で肝機能値の異常を指摘され発見されることが多いです。
時折、急性発症することもあり、その場合は黄疸(皮膚や眼球が黄色くなる)やお腹の張り(腹水)などの症状が出現します。
急性発症の中には稀にですが重症化することもあります。
この自己免疫性肝炎は難病に指定されており、中等度以上もしくは肝硬変の場合には医療費助成の対象となります。
原因が不明なため根本的な治療方法は確立されていませんが、 多くの患者において副腎皮質ステロイド薬等により疾患の制御が可能となります。 副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン)内服を行い、肝機能値を確認しながら内服量を調整します。 急な薬の減量は再燃につながるため、治療は長期間に渡ります。 しかし、正しくない服を継続することで、症状コントロールが可能です。 副腎皮質ステロイド剤が使用できない場合や効果が不十分な場合は、免疫抑制薬(アザチオプリン)を使用することがあります。 自己判断にて中断すると、再燃増悪してしまうため、注意が必要です。
治療に副腎皮質ステロイドが使用されますが、 その副作用として食欲亢進や肥満、糖尿病、脂質異常症、胃潰瘍、 骨粗鬆症などがあります。 食事摂取量に気を付け、体重コントロールすることが大切です。 また、副腎皮質ステロイド治療中は免疫が低下します。 感染症に罹らないために人混みを避けることや、人が多いところに行くときはマスクを着用することが大切です。
自己免疫性肝炎は難病であり、その原因は不明ですが副腎皮質ステロイドの投与が有効です。 副腎皮質ステロイドを自己中断すると、再燃しますので医師の指示に必ず従いましょう。 正しく付き合うことで、症状コントロールが可能な病気です。