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肝臓病の基礎知識

肝疾患の検査

肝炎検査について

肝炎は早期発見が大切です!まず「検査」から始めましょう!

陽性は放置せず医療機関に受診しましょう!!



肝臓がんと診断された人の約80%近くの人が肝炎ウイルスにかかっていることが分かっています。ですので、 肝炎ウイルス検査を受けて、陽性判定が出た際はすぐ医療機関へ受診し、 精密検査や早期治療をすることで重篤な状態へ移行しないようにしましょう。

肝炎ウイルス(B型、C型肝炎)は、無料検査が受けられます。(政令指定都市により有料の場合もあります)
検査は血液検査です。B型肝炎検査(HBs抗原検査)及びC型肝炎検査(HCV抗体検査)で、数週間後で結果のお知らせがあります。
大阪市
高槻市
茨木市
【その他の地域については以下のサイトを参照してください。】
大阪府
【取扱い医療機関については以下のサイトを参照してください】
肝臓病の検査
肝機能異常がある場合はすぐ医療機関へ受診し検査を受けましょう!

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状がほとんどありません。健康診断の血液検査で 異常が見つかった場合は、医療機関へ受診しましょう。
病変を検索するため、画像検査や組織検査があります。医師の指示にて必要時は受けましょう。
<血液検査>
  検査項目 基準値 単位 異常時  
B型肝炎ウイルスに現在、感染していることを反映 HBs抗原     陽性 現在、B型肝炎ウイルスに感染していると判定される
C型肝炎ウイルスに現在もしくは過去、感染していることを反映 HCV抗体     陽性 現在、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高いと判定される
肝細胞の壊れ具合を反映するもの AST 13~30 U/L ↑ 上昇 肝細胞に多く含まれる酵素で、肝細胞が壊れると血液中に流れ出し上昇。肝炎の活動性の指標
ALT 10~42
肝臓の働き具合を反映するもの Alb 4.1~5.1 g/dl ↓ 低下

肝臓の機能が落ちると低下。

肝予備力の指標。
胆汁うっ滞を反映するもの T-Bil 0.4未満 ㎎/dl ↑ 上昇 胆汁うっ滞、肝細胞の機能が落ちると、血液中の量が増えて、皮膚が黄色くなる。黄疸の指標。
ALP 38~113 U/L ↑ 上昇 胆管細胞の障害や胆汁うっ滞で上昇し、特にアルコールや薬剤による肝障害でも高くなる。
γ-GTP 13~64
線維化の程度を反映するもの PLT 10~35万   ↓ 低下

血液が固まる際に関与する成分で、肝臓病が進行して繊維が増えると低下する。肝臓の硬さを反映し、繊維化の指標。

※他の原因で低下することがある

腫瘍マーカー
肝がんの可能性を反映するもの

(正常範囲内でも、肝がんがないとは断定できない)
AFP <10n g/ml ↑ 上昇 肝炎や、肝がん以外のがんでも上昇する場合がある。
PIVKA-II <40 mAU/ml ビタミンKの不足やビタミンKの働きを抑える薬(ワーファリンなど)でも上昇するので注意が必要。
<画像検査>
検査名 方法・目的 備考
腹部超音波検査 超音波により、肝臓を調べる(肝臓の大きさ・形・腫瘤の有無・肝臓内の血管や胆管の拡張や狭窄)検査。
安全で簡単に行える。
あらゆる肝疾患で初めに行われる。
絶食が必要。
検査時間:約20~30分。
腹部にプローブを当てて検査する。体型や食事の影響で観察しにくい場合がある。
CT検査 単純CT X線によって、肝臓の横断面を映しだし、肝臓の形を見る、病変を描出する検査。
造影CTは造影剤(ヨード剤)を用いて、肝がんの有無、肝臓内の血液の流れを観察する。
絶食が必要。
検査時間:約20~30分。
造影剤アレルギーが出る可能性がある。
造影CT
MRI検査 強い磁力をかけて肝臓のいろんな断面を映しだすことが出来る検査。
肝がんの有無を調べる場合は造影剤を用いる方がより正確に検査できる。
絶食が必要。
検査時間:約30分
狭い空間の入るため、閉所恐怖症の方は検査ができないことがある。
被ばくはないが、体内に金属やペースメーカーがあると検査できない。
<組織検査>

肝生検
肝臓の組織を、細い針で取り、詳しく調べる検査。
入院にて行う検査。
肝臓のつぶれ具合(肝炎の程度)や、進行具合(繊維化の程度)を評価する。
また、肝臓のなかに出来た腫瘍が、良性か悪性(がん)かを調べる際にも行う。
検査直前後は、絶飲食。
生検後、約4~6時間圧迫止血をし、ベッド上安静が必要。