原発性胆汁性胆管炎(Primary Biliary Cholangitis : PBC)
原発性胆汁性胆管炎(Primary Biliary Cholangitis:PBC)
原発性胆汁性胆管炎は、黄疸、強い痒みが特徴の病気です。
膠原病の一種であり、難病に指定されています。以前は原発性胆汁性肝硬変と呼ばれていました。
この病気は、原因が未だ解明されていない慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患です。
何らかの原因により自己抗体(自分の体を攻撃する物質)が産生され、肝臓内の小さな細い胆管が破壊されます。
それにより、肝臓内の胆汁の流れが停滞し、肝機能が徐々に低下してしまいます。
血液検査では胆道系酵素(ALP・γ‐GPTなど)が高値になり、さらに抗ミトコンドリア抗体(AMA)という自己抗体が検出されるのが特徴です。
中年以上の女性に発症することが多く、自覚症状のない無症候性PBCと皮膚の強いかゆみ、
黄疸、食道・胃静脈瘤、腹水、肝性脳症が出現する症候性PBCの二つに分けられます。
7~8割の患者さんが無症候性PBCであることが知られ、それら無症候性PBCの患者は診断後もほとんど症状が認められません。
しかし、2~3割の患者は症候性PBCとなり、様々な症状を認める様になります。
病気の原因であることから、難病に指定されており、中等症以上では医療費助成を受けられます。
根本的治療はありませんが治療薬は存在し、多くはウルソデオキシコール酸により治療が行われます。 このお薬は、肝機能を改善させ、病気の進行を遅らせる効果があります。 また、ウルソデオキシコール酸の内服で効果が不十分の場合はフィブラート製剤を併用することがあります。 そのほかに、症状や合併症に対し、対症療法として投薬を行います。 例えば、かゆみには抗ヒスタミン薬・ナルフラフィンの投与、ビタミンD吸収障害による骨粗しょう症には活性型ビタミンDなどの投与が行われます。 肝硬変へ至った場合は肝硬変の治療を行います。様々な内科的治療を行っても効果が得られない場合は、肝移植も考慮されます。
無症候性PBCの患者さんは、薬を飲み続けること以外は、日常生活で注意することはありません。 安静の必要もなく、仕事もすることが可能です。 過度なアルコールは肝臓に負担をかけるため注意してください。 病気が進行した場合は、主治医の指示に従いましょう。
原因や根本的治療は不明ですが、ウルソデオキシコール酸の内服が有効です。 無症候性PBCと症候性PBCに分けられ、症候性PBCは皮膚の強いかゆみ、黄疸が特徴です。 無症候性で進行しない例もありますが、肝硬変・肝がんに至る例もあります。 内服の継続と適度な運動をし、アルコール摂取を減らしましょう。