輸血室
ごあいさつ
輸血は、血液中の成分(赤血球や血小板など)が減少したり働きが低下したときに、その成分を補う治療法であり、内科、外科、産婦人科、小児科などあらゆる診療科で行われています。
輸血に用いられる血液製剤は、献血者から提供された貴重な血液の成分そのものであり、厳格な管理体制が必要です。また、輸血は最も日常的に行われている臓器移植に等しい医療行為であり、リスクがゼロではありませんので、安全なプロセス管理が重要です。そこで、輸血室は、安全に輸血を行うための検査と血液製剤の保管管理を主軸として、当院の輸血医療全体を俯瞰的な視点で管理しています。
安全で適正な輸血医療を患者さんに提供するために、そして献血血液を基点とする輸血医療を持続可能なものにするために、私たちは日々全力を尽くす所存です。
当院の安全で適正な輸血実施体制は高い評価を受けており、日本輸血・細胞治療学会の輸血機能評価認定(I&A)制度の認定を取得しています。本認定を取得している施設は、全国で157 施設、大阪府で3施設のみです(2022年4月現在)。また、教育機関としましては、輸血認定医制度、学会認定・臨床輸血看護師制度および認定輸血検査技師制度の研修施設に指定されており、各職種のいわば「輸血のプロ」を多数育成しています。
輸血室とは?
より安全な輸血を目指し、以下のような検査を実施しております。
1. 血液型検査
1. 血液型検査
輸血で最も重要視されるのが血液型です。ABO血液型(A型・B型・O型・AB型)とRh血液型(Rh+・Rh-)の検査を行っています。
2. 不規則抗体スクリーニング
患者さんの過去の輸血や妊娠などがきっかけで、血清中に生じる可能性がある赤血球に対する抗体(不規則抗体)の有無を調べるものです。不規則抗体が見つかった場合は、その抗体に適合した血液を輸血します。
3. 交差適合試験
「血液型検査」「不規則抗体スクリーニング」の後、輸血をする前に、患者さんの血液と、それに適合すると思われる輸血用血液を混ぜ、その反応を確認します。ここで凝集や溶血などの反応が認められないものを適合する輸血用血液とみなし、輸血するのです。
4. 自己血輸血
手術に際して大量の出血が予測される患者さんに対しては、副作用などのリスクが非常に低い「自己血輸血」も行っております。これは事前に患者さんから採血し、いざという時のために保管し、輸血するものです。自己血の保存期間は35日間。当科では、よりリラックスした環境で採血に臨んでいただけるよう「自己血採血室」(写真)をもうけております。
自己血採血室
臨床指標
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輸血室
項目 実績 単位 輸血実施患者数(アルブミン製剤を含む) 1,625 人 輸血実施手術患者数 447 人 自己血貯血患者数 64 人 赤血球製剤使用数 6,134 本 血漿製剤使用数 3,477 本 血小板製剤使用数 1,564 本 アルブミン製剤使用数 3,996 本 輸血専任臨床検査技師数 7 人 輸血専任医師数 1 人 輸血療法委員会開催回数 12 回 血液製剤廃棄率 0.28 % 輸血副作用報告率 100 %
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輸血室
項目 実績 単位 輸血実施患者数(アルブミン製剤を含む) 1,713 人 輸血実施手術患者数 549 人 自己血貯血患者数 90 人 赤血球製剤使用数 6,221 本 血漿製剤使用数 3,267 本 血小板製剤使用数 1,310 本 アルブミン製剤使用数 4,180 本 輸血専任臨床検査技師数 7 人 輸血専任医師数 1 人 輸血療法委員会開催回数 12 回 血液製剤廃棄率 0.37 % 輸血副作用報告率 100 % 輸血過誤によるABO異型輸血件数 0 件
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輸血室
項目 実績 単位 輸血実施患者数(アルブミン製剤を含む) 1,597 人 輸血実施手術患者数 508 人 自己血貯血患者数 93 人 赤血球製剤使用数 5,680 本 血漿製剤使用数 3,373 本 血小板製剤使用数 1,392 本 アルブミン製剤使用数 4,868 本 輸血専任臨床検査技師数 7 人 輸血専任医師数 1 人 輸血療法委員会開催回数 12 回 血液製剤廃棄率 0.36 % 輸血副作用報告率 100 % 輸血過誤によるABO異型輸血件数 0 件
施設認定
- 日本輸血・細胞治療学会輸血機能評価認定制度(I&A制度)認定施設
- 日本輸血・細胞治療学会認定医制度指定施設
- 日本輸血・細胞治療学会認定輸血検査技師制度指定施設
- 日本輸血・細胞治療学会認定・臨床輸血看護師制度指定研修施設