整形外科
主な対象疾患
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- 主に加齢により頚部の脊柱管が狭くなり、脊髄を圧迫して四肢の麻痺やしびれを来します。症状は不可逆的に進行し最終的には寝たきりとなるため、病状が進めば症状改善や進行予防のため手術が必要となります。手術では、身体所見・画像から病態を正確に診断したうえで、脊椎の一部を削って脊髄の圧迫を取り除いたり、インプラントを用いて脊椎を固定したりします。
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- 腱板断裂の治療としては、可能な限り関節鏡視下手術を行っています。一次修復可能な小・中断裂に対しては関節鏡視下腱板修復術を、一次修復不能な大・広範囲断裂に対しては関節鏡視下肩上方関節包再建術を行なっています。また、関節症性変化の強い高齢の患者さんに対してはリバース型人工肩関節置換術や、肩上方関節包再建術を併用した人工肩関節置換術を行なっています。
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- 変形性股関節症に対しては、人工股関節置換術を中心に行い、脱臼率の低い良好な長期成績が獲得できており、股関節鏡も適応があれば積極的に行います。変形性膝関節症は膝周囲骨きり手術、人工関節単顆置換、全置換術と病状に応じたベストの選択をしています。またスポーツ傷害に対しては、安全な復帰を念頭に関節鏡を用いた最新の手術を行い、特に半月板治療には力を入れています。
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- 頻度が高い上肢の絞扼性神経障害である手根管症候群や肘部管症候群に対しては、詳細な身体診察に加えて神経伝導検査、超音波検査、MRI検査を行い手術適応を決定します。手術が必要な場合には、鏡視下手術や小切開手術など、侵襲が少なく早期の社会復帰が可能な治療を心掛けています。
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- 外反母趾の手術治療には主に骨切り術と関節固定術があります。当科では独自に考案した骨切り術を行い、良好な成績を海外の論文に報告しています。また、外反母趾変形が重度の症例には、これまでの豊富な治療経験をもとに、新規デバイスを使用した関節固定術なども行なっております。
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- 骨や脂肪、筋肉に発生する腫瘍で良性と悪性があります。良性では経過観察となるとも多く、骨肉腫やガン転移では正確な診断と早急な治療が必要になります。超音波検査やMRI、PET—CTなどの画像診断のもと必要に応じて針生検を行い診断を確定します。悪性では症例に応じて全身化学療法や腫瘍用人工関節、筋皮弁などを用いた患肢温存術を積極的に行っています。
その他の疾患・症状
大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群(FAI)
骨盤と大腿骨の骨同士の衝突により、関節唇や関節軟骨障害が生じる病態です。本疾患概念が提唱され20年程度であり、これまで原因が特定できない股関節部痛に本疾患が含まれている可能性があります。関節鏡手術による低侵襲治療が可能です。
骨盤と大腿骨の骨同士の衝突により、関節唇や関節軟骨障害が生じる病態です。本疾患概念が提唱され20年程度であり、これまで原因が特定できない股関節部痛に本疾患が含まれている可能性があります。関節鏡手術による低侵襲治療が可能です。
主な検査
脊髄造影 / 神経根造影 / 筋電図、神経伝導速度 / 肩関節超音波検査 / 肘関節・手超音波検査 / 足関節・足部ストレスX線、超音波検査 / ガドリニウム造影剤関節内注射による股関節造影MRI検査
臨床指標
施設認定
- 日本整形外科学会認定研修施設
- 日本リウマチ学会認定施設
- 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医基幹研修施設
- 日本足の外科学会専門医認定教育施設
- 日本手外科学会認定研修施設