リウマチ膠原病内科

当科の特色

当科では、全身性エリテマトーデス(SLE)・関節リウマチ(RA)に代表される膠原病の診療・研究・教育を行っています。

膠原病は、本来は生体を守るはずの免疫システムの一部が異常になり(自己免疫)、全身諸臓器を傷害する原因不明の全身性炎症性疾患です。SLE・RAの他にも、全身性強皮症、血管炎症候群、皮膚筋炎・多発性筋炎などがあります。類縁疾患としてベーチェット病、強直性脊椎炎、リウマチ性多発筋痛症などが挙げられます。

当科では、膠原病に対する最先端の医療を皆様に提供するだけでなく、常に患者さん目線でより良い診療を心がけ、診療・研究・教育の充実を図り、医療へ貢献したいと考えております。ご不明な点やご要望がありましたら、気軽にご相談ください。

主な対象疾患

  • 関節リウマチ(RA)に対しては症状のほとんどない状態(臨床的寛解)を維持していくことを目標として治療を行っています。RAの早期診断や病勢評価をより正確にするために関節エコーを積極的に活用しています。RAの早期診断や病勢評価をより正確にするために関節エコーを積極的に活用しています。治療としてはメトトレキサートによる治療が基本となり、効果が不十分な場合には他の従来型合成抗リウマチ薬、生物学的抗リウマチ薬やJAK阻害剤などの分子標的薬を併用しています。近年、治療に難渋するRA(D2T-RA:difficult to treat-RA)が診療の課題として挙げられており、個々の病態に合わせた診療を行っています。

  • 膠原病に伴う間質性肺疾患に対しては、原疾患、病型、疾患挙動を判断した上で、ステロイドに加えて免疫抑制剤(シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、シクロフォスファマド)を併用し治療しています。免疫抑制剤による治療を行っても肺の線維化が進行する場合には抗線維化薬ニンテダニブを併用しています。
    膠原病肺疾患外来を開設して広く紹介を受けております。新規の間質性肺疾患治療薬の臨床治験にも参加しています。
  • 全身性エリテマトーデス(SLE)は多彩な病態を呈する自己免疫疾患であり、患者個人の病態に応じたテーラーメイドの医療を行っています。近年、保険適応になったミコフェノール酸モフェチルやハイドロキシクロロキン(HCQ)、ベリムマブ、アニフロルマブも病態に応じて積極的に導入しています。HCQの導入にあたり、副作用である網膜症の早期発見のために本院及び近隣の眼科と協力しています。また、新規の治療薬の臨床治験にも参加しています。 

  • 顕微鏡的多発血管炎を始めとする血管炎症候群に対し、ステロイドに加えてシクロフォスファマイド、リツキシマブを始めとする免疫抑制剤や血液浄化療法を行っています。近年、選択的C5a受容体阻害剤アバコパンが顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症に対して保険適用となり、治療難渋例やステロイドの減量が難しい例を中心に治療を行っています。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対してメポリズマブ、大型血管炎に対してトシリズマブによる治療も行っています。
  • 関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病を罹患された若年女性が妊娠を希望される場合には、母性内科外来で本院産科と連携して妊娠・出産に対するカウンセリングを行い、治療・管理を行っています。
  • 膠原病に伴う肺高血圧症に対して本院循環器内科または国立循環器病研究センターと連携して免疫抑制剤に加えて肺動脈性肺高血圧治療薬の併用による治療にあたっています。

主な検査

関節エコー / キャピラロスコピー

臨床指標

  1. リウマチ膠原病内科

    項目 実績 単位
    SLE患者数  436
    RA患者数  1,310
    強皮症(混合性結合組織病を含む)患者数  485
    皮膚筋炎/多発性筋炎患者数  214
    血管炎患者数  297
    原発性シェーグレン症候群患者数  308
    成人スティル病患者数  30
    ベーチェット病患者数  73
    リウマチ性多発筋痛症患者数 169
    間質性肺炎患者数(膠原病に伴う)  556
    生物学的製剤施行患者数(関節リウマチ)  558
    JAK阻害剤療法施行患者数(関節リウマチ) 142
    生物学的製剤施行患者数(SLE)  153
    年間死亡患者数  17
  2. リウマチ膠原病内科

    項目 実績 単位
    SLE患者数  420
    RA患者数  1,252
    強皮症(混合性結合組織病を含む)患者数  493
    皮膚筋炎/多発性筋炎患者数  211
    血管炎患者数  284
    原発性シェーグレン症候群患者数  309
    成人スティル病患者数  146
    ベーチェット病患者数  78
    リウマチ性多発筋痛症患者数 146
    間質性肺炎患者数(膠原病に伴う)  558
    生物学的製剤施行患者数(関節リウマチ)  574
    JAK阻害剤療法施行患者数(関節リウマチ) 108
    生物学的製剤施行患者数(SLE)  124
    年間死亡患者数  13
  3. リウマチ膠原病内科

    項目 実績 単位
    SLE患者数  410
    RA患者数  1,297
    強皮症(混合性結合組織病を含む)患者数  475
    皮膚筋炎/多発性筋炎患者数  215
    血管炎患者数  267
    原発性シェーグレン症候群患者数  305
    成人スティル病患者数  28
    ベーチェット病患者数  81
    リウマチ性多発筋痛症患者数  155
    間質性肺炎患者数(膠原病に伴う)  555
    生物学的製剤施行患者数(関節リウマチ)  522
    JAK阻害剤療法施行患者数(関節リウマチ)  74
    生物学的製剤施行患者数(SLE)  92
    年間死亡患者数  15

関連ページ・サイト

施設認定

  • 日本リウマチ学会認定施設

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