閉塞性動脈硬化症(ASO)

78歳男性です。以前から歩行時左足のしびれと痛みを感じていましたが、様子を見ていました。
徐々に左足先が冷たく紫色となり、潰瘍が出現しました。近くの皮膚科を受診し下肢血圧測定を行われたところ、左足の血圧が低下していたため、閉塞性動脈硬化症を疑われました。
このため近くの皮膚科から大阪医科薬科大学病院心臓血管外科を紹介されました。

  1. 1 大阪医科薬科大学病院 心臓血管外科を受診

    (医師A)
    造影CT検査を行なったところ、左膝に動脈瘤を認め、瘤が血栓で閉塞していました。その先の血管は周りの血管から血流を受けていましたが、血流量が足りないため左足の潰瘍が治らないと考えられました。
    (患者B)
    早めの治療が必要と判断され、翌日に入院することとなりました。
  2. 2 心臓血管外科入院

    (患者B)
    心臓血管外科に入院し、手術前に脳・冠動脈・心臓・採血などの検査が行われました。CTで左足先の骨髄炎を認めたため、大阪医科薬科大学病院整形外科を受診しました。
  3. 3 整形外科を受診

    (患者B)
    整形外科を受診し、MRI検査などが行われました。骨髄炎は抗生剤で治療し、まず左足の血流改善の手術が必要と判断されました。手術後に骨髄炎および潰瘍の改善がない場合は、下肢を切断する必要があると判断されました。
  4. 4 心臓血管外科での説明

    (患者B)
    病棟で、治療についての説明がありました。主治医より、閉塞性動脈硬化症の治療法はバイパス手術とカテーテル手術があり、今回は膝の動脈瘤もあるため、バイパス手術しか方法がないと説明されました。
    (医師A)
    ご本人・ご家族ともバイパス手術を希望されました。
  5. 5 手術前の準備

    (患者B)
    看護師さんより入院中の説明と手術後の予定、麻酔科の先生より手術時の麻酔について説明がありました。
    (医師A)
    主治医よりご本人・ご家族に再度手術の説明を行い、手術同意書にサインをしていただきました。

  6. 6 下肢動脈バイパス手術

    (患者B)
    手術当日の朝、手術室に移動しました。全身麻酔を行い人工呼吸が開始されました。
    (医師A)
    左足を切開し、膝の動脈瘤を切除し、その頭側と足側の動脈にご自身の静脈でバイパスしました。
    創を縫い閉じた後に全身麻酔を中止し、人工呼吸を外して集中治療室へ移しました。
    手術終了時にはご家族に集中治療室で面会いただきました。
  7. 7 手術施行後・リハビリ

    (患者B)
    手術翌日に元の病棟に戻り、歩行リハビリと食事が始まりました。退院に向けて毎日リハビリを受けました。左足は温かくなり、左足の血圧も改善しました。手術2週間後に抜糸が行われました。
  8. 8 整形外科受診

    (患者B)
    手術後、整形外科を再度受診しました。左足の血流量が増加していたため、下肢を切断せず退院が可能と判断されました。
  9. 9 退院

    (患者B)
    手術後、3週間で退院となりました。退院後は心臓血管外科外来を2週間後に予約しました。
    薬剤師さんより退院後の薬の内容、看護師さんより生活上の注意点について説明がありました。

当院受診希望の場合は、かかりつけの病院、クリニックから大阪医科薬科大学病院へご紹介いただいてください。医療連携室を通して、ご希望の日程でご予約を調整いたします。ご家族様との来院、お薬手帳の持参をお願いいたします。