消化器内科(肝・胆・膵)

患者さんへ

当科は、肝臓、膵臓、胆嚢・胆管などに関する病気の診断や治療を目的とする内科です。

肝臓は"人体の化学工場"と言われるように多彩かつ重要な役割を有する一方、予備力が強いため"沈黙の臓器"とも言われ、倦怠感や黄疸、浮腫、腹水などの症状が表れにくく、発見が遅れたりしがちです。

また、胆嚢や胆管は、肝臓で生成された胆汁の貯蔵と分泌に関与し、黄疸や胆石・胆嚢炎に関係する臓器です。

膵臓は、消化酵素を含む膵液とともに、インスリンやグルカゴンなどのホルモン産生と分泌に関係する臓器ですが、奥深い位置にあるため病気の診断が最も困難とされ、同時に、膵炎や膵癌はその病気の対策が最も難しいと考えられています。

肝・胆・膵に関係する病気は、ウイルス性、炎症性、自己免疫性などの良性疾患から悪性腫瘍まで幅広く多彩です。

当科では、これら各種疾患に対して、最新の技術を駆使して、早期に的確な診断を行うとともに、患者さん各々の状態に合わせた最善かつ最高の治療を提供できるよう専門医を配し常に心がけております。

当科の特色

  1. B型・C型肝炎に対する各種抗ウイルス治療(核酸アナログ製剤治療、インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療)
  2. 肝癌に対する集学的治療(肝動脈塞栓及び動注化学療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、エタノール注入療法、分子標的剤、免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療、放射線治療等)
  3. 自己免疫性肝炎・原発性胆汁性胆管炎等の診断と治療
  4. 非アルコール性脂肪性肝疾患、代謝性・遺伝性肝疾患、その他原因不明の肝障害についても豊富な経験により適切に対応
  5. 胆・膵疾患に対する超音波内視鏡を主軸とした確実な画像診断
  6. EUS-FNA(EUSガイド下穿刺吸引法)による病理組織診断(膵・胆嚢・胆管・縦隔・腹腔内リンパ節など)
  7. 超音波内視鏡を用いた胆管・膵管ドレナージ術
  8. 巨大胆管結石及び膵石に対する内視鏡的電気水圧式結石破砕術
  9. 胆管閉塞に対するステント留置術
  10. 急性膵炎後合併症(膵化性嚢胞、Walled-off necrosis)に対する超音波内視鏡下治療
  11. 悪性胆道閉塞に対する内視鏡的焼却術

主な対象疾患

  • 肝炎ウイルス由来、自己免疫性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患などの代謝性肝疾患など、個々の原因に対して治療を行いつつ、肝機能の改善あるいは維持をはかるように治療しています。
  • 肝がんについては、その進行度に応じて、適切な治療を内科単独ではなく、消化器外科、放射線科と協力し、集学的な治療を行うようにしています。
  • 超音波内視鏡を主軸とした早期診断を行なっています。診断から治療まで、可及的速やかに行います。腫瘍内科教室と連携し、最新の抗がん剤治療を行います。
  • 胆管の中に挿入可能な内視鏡を用い、確実に診断を行います。手術ができないと判断された患者さんも、当院における正確な癌範囲診断で手術が可能である可能性があります。胆道指導医の確実な診断のもと、外科と連携して治療を行います。

主な検査

上部消化管造影検査 / 下部消化管内視鏡検査 / 小腸・大腸造影検査 / 腹部超音波検査(造影エコーを含む) / 内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP) / 小腸カプセル内視鏡 / 大腸カプセル内視鏡 / 腹部血管造影 / 経皮的肝生検 / 超音波検査・造影超音波検査 / 肝硬度測定検査 / 上部消化管内視鏡検査 / 小腸内視鏡検査 / 下部消化管内視鏡検査 / 超音波内視鏡検査(EUS)/ EUS-FNA(EUSガイド下穿刺吸引法)による病理組織診断 / 超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(消化管・胆膵・縦隔・腹腔内腫瘍) / 超音波内視鏡下瘻孔形成術(胆道ドレナージを含む)

臨床指標

  1. 消化器内科

    項目 実績 単位
    ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)実施件数  899
    PTCD(経皮経肝的胆管ドレナージ)実施件数  1
    肝細胞がん入院総患者数  121
    肝臓癌ラジオ波焼灼療法実施後1ヵ月以内合併症発生率  0.0
    肝臓癌ラジオ波焼灼療法実施例数  44
    エコー下肝生検件数  108
    腹部血管造影件数  40
    腹部超音波検査件数  2,282
    胃がん入院総患者数  118
    早期胃がん(粘膜内がん)内視鏡手術後5年生存率  98.0
    潰瘍性大腸炎患者数  848
    クローン病(限局性腸炎)患者数  396
    大腸がん入院総患者数  86
    早期大腸がん(粘膜内がん)内視鏡手術後5年生存率  100.0
    上部消化管内視鏡検査件数  3,479
    下部消化管内視鏡検査件数  2,039
    緊急消化管内視鏡検査件数  404
    消化管出血救急患者数  112
    消化管内視鏡検査に伴う穿孔の発生件数  1
    消化管透視件数  207
    内視鏡的粘膜切除術件数(上部)ポリペクトミーを含む  19
    ESD件数(上部)  137
    内視鏡的粘膜切除術件数(下部)ポリペクトミーを含む  696
    ESD件数(下部)  69
    消化管特殊検査件数  60
    カプセル内視鏡検査数  48
    超音波内視鏡検査  381
    EUS/FNA件数  221
  2. 消化器内科

    項目 実績 単位
    ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)実施件数 1,027
    PTCD(経皮経肝的胆管ドレナージ)実施件数 3
    肝細胞がん入院総患者数 207
    肝臓癌ラジオ波焼灼療法実施後1ヵ月以内合併症発生率 0.0
    肝臓癌ラジオ波焼灼療法実施例数 65
    エコー下肝生検件数 101
    腹部血管造影件数 50
    腹部超音波検査件数 4,439
    胃がん入院総患者数 175
    早期胃がん(粘膜内がん)内視鏡手術後5年生存率 98.0
    潰瘍性大腸炎患者数 34
    クローン病(限局性腸炎)患者数 36
    大腸がん入院総患者数 57
    早期大腸がん(粘膜内がん)内視鏡手術後5年生存率 98.8
    上部消化管内視鏡検査件数 3,694
    下部消化管内視鏡検査件数 2,014
    緊急消化管内視鏡検査件数 508
    消化管出血救急患者数 82
    消化管内視鏡検査に伴う穿孔の発生件数 0
    消化管透視件数 200
    内視鏡的粘膜切除術件数(上部)ポリペクトミーを含む 23
    ESD件数(上部) 152
    内視鏡的粘膜切除術件数(下部)ポリペクトミーを含む 240
    ESD件数(下部) 52
    消化管特殊検査件数 66
    カプセル内視鏡検査数 76
    超音波内視鏡検査 320
    EUS/FNA件数 224
  3. 消化器内科

    項目 実績 単位
    ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)実施件数 796
    PTCD(経皮経肝的胆管ドレナージ)実施件数 2
    肝細胞がん入院総患者数 159
    肝臓癌ラジオ波焼灼療法実施後1ヵ月以内合併症発生率 0.0
    肝臓癌ラジオ波焼灼療法実施例数 58
    エコー下肝生検件数 78
    腹部血管造影件数 57
    腹部超音波検査件数 4,502
    胃がん入院総患者数 145
    早期胃がん(粘膜内がん)内視鏡手術後5年生存率 98.5
    潰瘍性大腸炎患者数 700
    クローン病(限局性腸炎)患者数 383
    大腸がん入院総患者数 70
    早期大腸がん(粘膜内がん)内視鏡手術後5年生存率 98.5
    上部消化管内視鏡検査件数 3,968
    下部消化管内視鏡検査件数 2,154
    緊急消化管内視鏡検査件数 495
    消化管出血救急患者数 57
    消化管内視鏡検査に伴う穿孔の発生件数 2
    消化管透視件数 228
    内視鏡的粘膜切除術件数(上部)ポリペクトミーを含む 22
    ESD件数(上部) 140
    内視鏡的粘膜切除術件数(下部)ポリペクトミーを含む 399
    ESD件数(下部) 59
    消化管特殊検査件数 41
    カプセル内視鏡検査数 40
    超音波内視鏡検査 446
    EUS/FNA件数 238

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関連ページ・サイト

施設認定

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  • 日本超音波医学会認定超音波専門医制度研修施設
  • 日本胆道学会認定指導施設

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