認知症外来

精神神経科

認知症外来

物忘れでお困りの方が来られた場合は、初診の時点で時間をかけた問診、診察を行い、長谷川式簡易認知機能スケール、立方体テスト、時計描画テストを行います。また血液検査、脳波検査、形態画像検査(MRIあるいはCT)を行い、二次性認知症の鑑別を行います。この時点で、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫が見られる場合があり、その際にはすみやかに専門科にコンサルトを行います。

2回目以降で神経心理学的検査を行い、必要な場合は核医学検査の施行を検討します。脳血流シンチグラフィ(SPECT)やドパミントランスポーターシンチグラフィ(DaT Scan)検査などの核医学検査は診断の確実性を高めるために用いることが知られており、大学病院ならではの検査と言えるでしょう。最終の結果説明では、これらの結果を、認知症専門医の方から丁寧に明示し、治療方針について本人、家族に寄り添った説明を心がけております。

近年の超高齢化社会において近隣病院からの紹介例も増えているため受診数は増加傾向にあり、どうしても検査が終わるまでの時間が長くなってしまいます。そこで当院では2泊3日の認知症検査入院を行なっております。外来で時間がかかってしまう検査を2泊3日の入院検査で迅速に行うことができ、2-3週後の最終結果説明の後はかかりつけ医あるいは当科外来においてフォローします。

また認知症の中核症状だけでなく周辺症状に困る方が増えています。周辺症状についても薬物療法だけではなく正しい知識で症状の改善に努められるよう介護方法のアドバイスを行い、また家族の介護負担の軽減のために包括支援センターや近隣の医療機関と連携し情報の共有や介護保険主治医意見書の作成を行っています。場合によっては当院の病棟に入院を検討し、社会生活に適応できるように介入することがあります。