精神神経科

当科の特色

当科では、伝統的な精神医学を背景に新しい技術を積極的に取り入れていく進歩的な教室運営を続けています。不眠・不安やストレス、うつなど、日常、経験しやすい精神症状でお悩みの方から、心の病気まで幅広く診療を行っています。

「認知症」「思春期(中・高生)の精神不調」「性別違和」などの専門外来にくわえ、「減薬外来」も行っています。患者さん一人一人に合った減薬方法の提案を心がけています。必要であれば、入院加療や心理師による不眠症の認知行動療法(CBT-I)も実施しております。

また、大学病院特有の特殊治療としてクロザピン治療(治療抵抗性統合失調症)やECT:電気けいれん療法(難治性うつ病など)、r-TMS療法(反復経頭蓋磁気刺激)なども行っています。精神科における診療は今後の社会の中で大きな役割を担う必要があることから、幅広い分野を通じて社会に貢献する診療科でありたいと考えています。

当院の精神科病棟は、病床数31床(保護室2床)の閉鎖病棟です。2020年に改装を行い病棟の雰囲気は非常に明るくなり、患者さんが安心して治療を受けられる環境作りを心がけています。当院は、先進的な治療・検査などの高度医療を行う特定機能病院です。そこにある精神科病棟の強みを活かし、急性期の患者さんや身体疾患を合併した患者さん、修正型電気けいれん療法や反復経頭蓋磁気刺激療法を受ける患者さんなど、幅広く入院を受け入れています。
 
身体疾患を合併されている患者さんには、各診療科・多職種と連携してチーム医療で対応しています。患者さんの早期回復に向けて、毎週月曜日に回診や多職種カンファレンスを行い、治療方針を決定しています。当院で行う治療・検査を終了した場合は退院となりますが、引き続き治療が必要な場合には、本人・ご家族と協議の上、医療が継続できる病院への転院や地域のかかりつけ医へご紹介させていただきます。このような場合には、多くの専門職種が関わり調整・支援をさせていただきます。
 

主な対象疾患

  • 統合失調症は薬物療法、精神療法、休養・環境調整、心理社会療法を行うことが治療の基本となります。薬物療法としては抗精神病薬という種類の薬剤を用いて、なるべく単剤の治療を目指していきます。また大学病院ならではの治療として治療抵抗性統合失調症に対し、クロザピンという薬剤や電気けいれん療法といった治療も行っています。
  • 気分障害にはうつ病と躁うつ病が含まれます。診断は、血液検査や画像検査などの身体検査から行うことはできず、患者さんの症状やご家族のお話から判断します。治療としては薬物療法や心理社会療法に加え、当院では反復経頭蓋磁気刺激(以下、r-TMS)や電気けいれん療法(以下、ECT)といった専門的治療も行っています。r-TMS とECTは入院下で行っており、軽症~重症の幅広いうつ病患者さんに対応できます。
  • 日本は、世界有数の超高齢化社会に突入しました。物忘れ含めいわゆる認知症の周辺症状に困る方が増えています。当科認知症専門外来では、検査入院などを行い画像検査、心理検査を中心とし、その他血液検査や脳波検査を組み合わせることによって、認知症について早期に正確性を有する診断をしています。その上で、近隣の医療機関と連携し認知機能障害や周辺症状に対する診療を行っています。
  • 治療の概要説明:当科思春期外来は中高生の精神的な不調をきたした方を対象にしています。診察に加えて必要な時は心理検査も行います。精神的不調の原因やそれを持続させている状況、元来の発達特性を同定し、「現在のしんどさ」にどうつながっているのか調べることに努めています。薬物療法のみでなく、精神療法的な介入、環境調整を行いながら、必要時は教育・福祉領域との連携も行っています。
  • 性別違和の身体治療を行える病院は増加傾向ですが、メンタルサポートを行える病院は未だに少ないのが現状です。当科ジェンダー外来では、特にメンタルサポートが必要な若年例や精神疾患合併例などを積極的に診療しておりますが、新規予約が取りづらい状況が続いておりご迷惑をおかけしております。教育機関として人材育成に努めており、今後はジェンダー外来の拡充を目指しております。
  • わたしたちが生きる現代社会は、変わりゆく環境の中で様々なストレスにさらされています。そういったストレスが自律神経や脳の機能に影響をあたえ、様々な症状を増悪する要因となりえます。当科では症状に応じた薬物療法や、精神療法を通じてストレスコーピングのスキルアップなどを行っています。また、薬を多剤併用されている患者さん向けの減薬外来も行っています。
  • 長引くうつ状態などで治療に困っている方を対象として、2泊3日の検査入院を行っています。各種心理検査に加えて、脳画像検査や光トポグラフィー検査(NIRS)などで総合的な精神科的評価を行います。検査結果はファイルにまとめ、患者さんのみならず今後の診療を行ってくださるかかりつけ医にも送付させていただきます。初診の予約の際にその希望を紹介状にご記載ください。

主な検査

脳波検査 / 心理検査 / 光トポグラフィー検査
 

臨床指標

  1. 精神神経科

    項目 実績 単位
    患者紹介率  45.4
    1日平均初診外来患者数  3.26
    1日平均再診外来患者数  62.41
    入院患者総数  322
    入院形態別入院患者数:措置入院  3
    入院形態別入院患者数:医療保護入院  143
    入院形態別入院患者数:任意入院  176
    平均在院日数  31.7
    ICFコード別入院患者数:F0  33
    ICFコード別入院患者数:F1  6
    ICFコード別入院患者数:F2  123
    ICFコード別入院患者数:F3  111
    ICFコード別入院患者数:F4  27
    ICFコード別入院患者数:F5  5
    ICFコード別入院患者数:F6  2
    ICFコード別入院患者数:F7  7
    ICFコード別入院患者数:F8  6
    ICFコード別入院患者数:F9  2
    ICFコード別入院患者数:その他(Gなど)  0
    転倒・転落件数  7
    退院3ヶ月以内の再入院患者数  79
    拘束件数  80
    隔離件数  29
    修正電気けいれん療法件数  292
    終夜睡眠ポリグラフ検査  0
    身体合併症受入件数:院内から  36
    身体合併症受入件数:院外から  30
    リエゾン依頼件数  2,572
    リエゾン経由の精神科病棟への受入件数  34
    認知症外来新患者数  199
    性同一性障害外来患者数 再診)282
    初診)32
    睡眠外来新患者数  0
    児童思春期外来新患者数  146
    てんかん外来新患者数  2
    強迫性障害外来新患者数  0
    外傷後ストレス障害外来新患者数  0
    社会不安障害外来新患者数  0
    平均残存件数  30/360 前年6月1ヶ月間の新入院患者の当年6月~翌年5月末の毎月の残存者数の合計/(前年6月1ヶ月間の新入院患者数×12)
    1年以上入院中の患者の退院件数  0/0 入院期間が1年以上となった患者数/入院期間が1年以上となった患者のうち、その後1年間以内に退院した患者数
    5年以上入院中の患者の退院件数  0/0 入院期間が5年以上となった患者のうち、その後1年間以内に退院した患者数/入院期間が5年以上となった患者数
  2. 精神神経科

    項目 実績 単位
    患者紹介率  76.7
    1日平均初診外来患者数  6.39
    1日平均再診外来患者数  74.66
    入院患者総数  353
    入院形態別入院患者数:措置入院  0
    入院形態別入院患者数:医療保護入院  161
    入院形態別入院患者数:任意入院  192
    平均在院日数  28.7
    ICFコード別入院患者数:F0  62
    ICFコード別入院患者数:F1  6
    ICFコード別入院患者数:F2  127
    ICFコード別入院患者数:F3  99
    ICFコード別入院患者数:F4  34
    ICFコード別入院患者数:F5  8
    ICFコード別入院患者数:F6  3
    ICFコード別入院患者数:F7  8
    ICFコード別入院患者数:F8  3
    ICFコード別入院患者数:F9  3
    ICFコード別入院患者数:その他(Gなど)  0
    転倒・転落件数  8
    退院3ヶ月以内の再入院患者数  72
    拘束件数 121
    隔離件数  41
    修正電気けいれん療法件数  287
    終夜睡眠ポリグラフ検査  0
    身体合併症受入件数:院内から  48
    身体合併症受入件数:院外から  55
    リエゾン依頼件数  3,054
    リエゾン経由の精神科病棟への受入件数  43
    認知症外来新患者数  206
    性同一性障害外来患者数  再診)183 初診)33
    睡眠外来新患者数  0
    児童思春期外来新患者数  76
    てんかん外来新患者数 3
    強迫性障害外来新患者数  0
    外傷後ストレス障害外来新患者数  0
    社会不安障害外来新患者数  0
    平均残存件数  38/456 前年6月1ヶ月間の新入院患者の当年6月~翌年5月末の毎月の残存者数の合計/(前年6月1ヶ月間の新入院患者数×12)
    1年以上入院中の患者の退院件数  0/0 入院期間が1年以上となった患者数/入院期間が1年以上となった患者のうち、その後1年間以内に退院した患者数
    5年以上入院中の患者の退院件数  0/0 入院期間が5年以上となった患者のうち、その後1年間以内に退院した患者数/入院期間が5年以上となった患者数
  3. 精神神経科

    項目 実績 単位
    患者紹介率 78.5
    1日平均初診外来患者数  5.75
    1日平均再診外来患者数  75.16
    入院患者総数  402
    入院形態別入院患者数:措置入院  0
    入院形態別入院患者数:医療保護入院  182
    入院形態別入院患者数:任意入院  220
    平均在院日数  24.7
    ICFコード別入院患者数:F0  54
    ICFコード別入院患者数:F1  12
    ICFコード別入院患者数:F2  126
    ICFコード別入院患者数:F3  127
    ICFコード別入院患者数:F4  43
    ICFコード別入院患者数:F5  5
    ICFコード別入院患者数:F6  2
    ICFコード別入院患者数:F7  6
    ICFコード別入院患者数:F8  2
    ICFコード別入院患者数:F9  1
    ICFコード別入院患者数:その他(Gなど)  24
    転倒・転落件数  12
    退院3ヶ月以内の再入院患者数  88
    拘束件数  160
    隔離件数  29
    修正電気けいれん療法件数  285
    終夜睡眠ポリグラフ検査  0
    身体合併症受入件数:院内から  67
    身体合併症受入件数:院外から  56
    リエゾン依頼件数  2,696
    リエゾン経由の精神科病棟への受入件数  32
    認知症外来新患者数  171
    性同一性障害外来患者数  再診)239 初診)24
    睡眠外来新患者数  0
    児童思春期外来新患者数  92
    てんかん外来新患者数  0
    強迫性障害外来新患者数  0
    外傷後ストレス障害外来新患者数  0
    社会不安障害外来新患者数  0
    平均残存件数  30/360 前年6月1ヶ月間の新入院患者の当年6月~翌年5月末の毎月の残存者数の合計/(前年6月1ヶ月間の新入院患者数×12)
    1年以上入院中の患者の退院件数  0/0 入院期間が1年以上となった患者数/入院期間が1年以上となった患者のうち、その後1年間以内に退院した患者数
    5年以上入院中の患者の退院件数  0/0 入院期間が5年以上となった患者のうち、その後1年間以内に退院した患者数/入院期間が5年以上となった患者数

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関連ページ・サイト

施設認定

  • 日本精神神経学会専門医制度研修施設
  • 日本総合病院精神医学会認定施設、ECT研修施設
  • 臨床精神神経薬理学研修施設
  • 日本老年精神医学会専門医制度認定施設
  • 日本認知症学会教育施設

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