心房細動の治療法であるカテーテルアブレーションは、高周波通電や冷凍凝固バルーンなどの熱エネルギーが使用されてきました。すでに欧米では主流になっていて、2024年11月から本邦でも承認された、新たなアブレーション方法がパルスフィールドアブレーションです。これは瞬時に高頻度の高電圧をかけること(=パルスフィールド)により心筋細胞の細胞死を引き起こす新しいアブレーション方法です。パルスフィールドは組織特異性があるため、食道や神経、血管、肺などの心臓周囲の組織に対してダメージを与えることなく、心筋細胞だけをアブレーションすることが可能です。そのため本システムの原理はまさに理想的なアブレーション方法とされています。これまでの方法と比べて食道穿孔や肺静脈の狭窄などの重篤な合併症が非常に少ないことが大きな利点で、従来の方法と同様の治療効果の治療をより安全に受けていただけます。