リンパ浮腫外来の開設
2018.3.26 塗 隆志(ぬり たかし)
本邦におけるリンパ浮腫の発症原因のほとんどが、骨盤内や腋窩のリンパ節廓清や放射線照射など、癌の治療による後遺症です。
リンパ浮腫は一旦発症すると進行性であり、浮腫の早期発見と治療が患者さんのQOL維持にとって非常に重要になります。
本院形成外科ではリンパ浮腫外来を開設し、癌治療後の四肢リンパ浮腫に対して生活指導や弾性着衣の処方、リンパドレナージ(マッサージ)の指導から、顕微鏡手術によるリンパ管静脈吻合まで行っております。
リンパ管静脈吻合は約1cmの切開から皮下のリンパ管を同定し、皮静脈へバイパスすることで特に早期の患者さんの浮腫の軽減や蜂窩織炎の発症軽減を認めております。また、入院中にリンパドレナージの指導を行い、患者さんが自分で浮腫のケアを行えるように指導を行っております。
手術実績は年々増加しており、当施設は近畿圏で最も多くのリンパ管吻合術を行っております。
リンパ浮腫専門外来は、月曜日と水曜日に行っています。ご紹介いただく際は本院医療連携室にてご予約をお願いします。