抗アミロイドβ抗体(レカネマブ、ドナネマブ)治療を行うご施設からのアミロイドPET検査のご予約を承ります
アミロイドPET検査について
アルツハイマー病による軽度認知障害または軽度認知症に対して抗アミロイドβ抗体療法が行われています。現在、坑アミロイドβ抗体療法としてレカネマブ(レケンビ®)とドナネマブ(ケサンラ®)の2種類の薬剤が保険収載されております。これらの薬剤は、アルツハイマー病の脳に蓄積するアミロイドβに作用し、アミロイドβを除去することによって認知機能低下の進行を有意に抑制します。そのためレカネマブまたはドナネマブ治療の適応を判断するには、アミロイドPETまたは脳脊髄液検査で脳内のアミロイドβ蓄積を示唆する所見の有無を確認することが必須とされています(厚生労働省「最適使用推進ガイドライン」)。
当院では、アミロイドPET検査薬であるフロルベタピル(アミヴィッド®)とフルテメタモル(ビザミル®)のいずれも使用できる検査体制をとっております。ご要望に応じて検査薬を選択いただけます。
アミロイドPET検査の利点
脳脊髄液検査と比較して次の2点があげられます。
・静脈注射で検査が可能なため身体的負担が少ない
・脳内のアミロイドβ蓄積の程度と分布が画像として視覚的・正確に評価できる
アミロイドPET検査薬(アミヴィッド®とビザミル®)の違い
・被ばく量
アミヴィッド®は5.5ミリシーベルト、ビザミル®は4.8ミリシーベルトです。PET-CT検査では、CT検査(約5ミリシーベルト)が加わります(ちなみに、自然放射線世界平均は年間2.4ミリシーベルト、胃のバリウム検査約3ミリシーベルト、体幹部のCT検査5~30ミリシーベルトとなっています)。
・表示される画像
検査薬ごとに対応した読影トレーニングプログラムに則り、アミヴィッド®はグレースケール、ビザミル®はカラースケールで表示された画像を読影し陽性か陰性かの判定を行います。
アミロイドPET検査の費用について (2024年6月診療報酬改定時)
おおよその費用は次のようになり、これに外来診療費等が加わります。
保険負担3割:6万7千円
保険負担2割:4万5千円
保険負担1割:2万3千円
アミロイドPET検査の流れと所要時間
・検査薬を静脈に注射
・検査薬が脳へ集まるまで待機(アミヴィッド®は約50分、ビザミル®は約90分)
・撮像(アミヴィッド®は約10分、ビザミル®は約20分)
検査曜日と撮影場所
・ビザミル®:毎週月曜の午後
・アミヴィッド®:毎週木曜と金曜の午後
・関西BNCT共同医療センター(本学敷地内)で撮影
同センターのPET/CT 装置は、アミロイドイメージング剤を用いた脳PET 撮像(一括)における日本核医学会PET撮像施設認証(Ⅰ)を取得しています。また、読影する放射線科医師は、日本核医学会が実施するアミロイドPET 読影講習を修了しております。
医療関係者の皆さまへ
ご利用にあたり、以下の点をご注意ください。
・ご依頼いただけるのは、レカネマブ(レケンビ®)またはドナネマブ(ケサンラ®)の最適使用推進ガイドラインに準拠している施設からとなります。
・検査目的は次の2点で、保険診療範囲のみを対象とします。
- レカネマブ(レケンビ®)またはドナネマブ(ケサンラ®)治療の要否を判断
- 最適使用推進ガイドラインに沿った投与の再開/継続/完了の可否を判断
・検査結果の説明はご依頼施設でお願いいたします。
ご依頼の方法と検査申込み後の流れ
-
1
「アミロイドPET検査に関するチェックシート」をダウンロードして記入
検査薬のご希望がございましたらその旨を記載ください
-
2
診療情報提供書の作成:“アミロイドPET検査”の希望と記載ください
-
3
チェックシートとFAX紹介申込書、診療情報提供書を医療連携室に送付
脳神経内科もの忘れ外来の予約を取得ください
-
4
脳神経内科のもの忘れ外来を受診(注)
アミロイドPET検査を予約
-
4
アミロイドPET撮影
-
5
検査結果の送付