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11月は、子宮頸がん予防啓発月間です

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11月は、子宮頸がん予防啓発月間です

2020年11月17日、世界保健機関は、「2030年までに子宮頸がん撲滅を加速させるための世界戦略」を 194 カ国の決議により開始しました。

子宮頸がんは予防できる数少ないがん種であるという特徴があります。 このがんの大部分 ( 99 % )はヒトパピローマというがん原性のあるウイルスに感染することで発症します。 このウイルス (HPV) は極めてありふれたもので、性交渉で伝播します。
HPVワクチンは予防に最も有効で、それ以外の対処の手段もあり、多くの国で実施されています。 それにもかかわらず2020年には世界で新規の罹患者が 60 万人を超え、世界で 34 万人が死亡しています。

子宮頸がんを撲滅するためには、すべての国が女性 10 万人当たりの罹患率を4%未満にし、それを維持しなければなりません。 この目標を達成するために、3 つの柱とそれに対応する目標を掲げています。

①15歳までの少女90%にHPVワクチンを接種
②35歳までに女性の70%が高性能スクリーニング検査を受け、45歳までに再度行う
③頸部疾患と特定された女性の90%が治療を受ける

私たちは、誰もが貢献できること、すべてのコミュニティが重要であること、そしてすべての国が子宮頸がんを撲滅できることを世界に訴えています。

【WHO子宮頸がん撲滅のためのグローバル戦略ページより】

ブルーライトアップ

大阪医科薬科大学病院のライトアップの写真です
毎年11月17日には、WHO主催による子宮頸がん撲滅のグローバル戦略とも連動しているイベントが、 世界各国で開催されています。その一つが、世界中のランドマークをシンボルカラーであるティールブルーにライトアップする活動です。
昨年度に引き続き当院でのライトアップは、本イベントに連動したものです。病院正面玄関の看板を、シンボルカラーのブルーにライトアップします。
この機会に子宮頸がんについての理解を深めていきましょう。

点灯期間:2025年11月17日(月)~11月18日(火) 18時~21時

子宮頸がんとは?

子宮頸がんの主な原因がウイルス感染です。きんねん、20代から40代の女性で増加傾向にあります。2年に1度の定期的な検診が必要です。 子宮頸がんの主な原因がウイルス感染です。きんねん、20代から40代の女性で増加傾向にあります。2年に1度の定期的な検診が必要です。
子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんのこと。子宮頸がんのほとんどはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因です。HPVは主に性交渉によって感染し、女性の子宮頸がんだけでなく男性でもかかる病気の原因にもなります。初期には症状がほとんどないため、自覚症状が現れることなく進行していくという特徴があります。
一生のうち、35人クラスの2クラスに約1人が罹患し、10クラスに約1人が亡くなるとされています。特に20代〜30代で罹患率が急増します。 一生のうち、35人クラスの2クラスに約1人が罹患し、10クラスに約1人が亡くなるとされています。特に20代〜30代で罹患率が急増します。
また、子宮頸がんは若い世代の女性のがんの中で多くを占めるがんで、毎年1万人以上の女性が子宮頸がんと診断され、毎年約3,000人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。

HPVワクチンの定期接種対象者とは?

子宮頸がんは大人だけの病気ではなく、若い世代も注意が必要です。
ワクチンの定期接種が受けられるのは、小学校6年生~高校1年生相当の女性です。
20歳を超えたら、2年に1度は子宮頸がん検診を受けましょう。
HPVワクチンの定期接種の期間は高校1年生の3月31日までです。完了するまでに約6ヶ月かかります。
※2025年9月から、男性もシルガード9(9価ワクチン)が接種可能になりました。
 現在は任意接種ですが、補助が出る自治体も増えています。

HPVワクチンのキャッチアップ接種対象者とは?

平成9年度~20年度生まれの女性で、2024年度末までにHPVワクチンを1回以上受けた方は、2回目と3回目のワクチンを必ず接種してください
ワクチンのキャッチアップ接種が受けられるのは、平成9年度~20年度生まれの女性で、2024年度末までにHPVワクチンを1回以上受けた方となります。

公費によるHPVワクチン接種は2026年3月末までとなりますので、2回目・3回目のワクチン接種を忘れずに、計画的なスケジュールをご検討ください。

当院の取り組み

昨年度に引き続き、厚生労働省において、子宮頸がんを予防するHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種に関する相談支援・医療体制強化のための地域ブロック拠点病院整備事業を実施しております。 大阪医科薬科大学病院は、近畿ブロックの代表拠点病院となり、HPVワクチン接種前・接種後の患者様にとって少しでも手助けとなり支えとなる情報、また予防接種に携わる医療関係者の皆様にとって診療の一助となる情報を提供しております。

今年度の啓発ポスターは、定期接種世代とその保護者の方に、一緒に見て考えていただけるような内容になっています。
昨年度から使用している学齢期の定期接種チラシも、医療機関はじめ教育機関からも資料請求を多くいただき、啓発に活用していただいています。

総合診療科 鈴木富雄先生からのメッセージ

未来の健康を守るため、私たちには今、行動する力があります。
HPVワクチンは、子宮頸がんという予防可能な病から多くの命を救う力を持っています。このワクチンは、あなた自身、そして次の世代の女性たちに、かけがえのない健康と安心をもたらす希望です。どうか、接種の機会を大切にしてください。

あなたの一歩が、未来の命を守るための大きな一歩となるのです。

HPVワクチン医療者研修会

今年度は3名の先生方にご講演をいただき、当日のオンライン研修とオンデマンド配信で100名を超える方に参加していただきました。

近年取り上げられることが多くなっているプレコンセプションケア。
「妊娠前の若い男女が将来のライフプランを考えながら、日々の生活や健康と向き合うこと」という考えからの、子宮頸がんの予防意識を高める大切さ、
そして医療現場で質問に上がることも多い「接種者への対応・伝え方」「副反応の現状・対応」に関してご講演をいただき、大変充実した内容になりました。

詳細はチラシをご覧ください。

地域との連携

9月7日に高槻市主催で開催されたイベント「2025健康・食育フェア&健康たかつき21シンポジウム」にブース参加しました。

啓発資料一式と、高槻市内のHPVワクチンの接種可能機関一覧を用意しました。
出展ブースをめぐるクイズラリーの問題は「HPVワクチンの定期接種の年齢は?」でした。ちょうどこの時期に子宮頸がん啓発のテレビCMも流れていたこともあり、来場者の方からも積極的に質問をいただいたり、お悩みを伺ったり、娘や孫に伝えるわねとのお声をいただき、とても充実したイベントになりました。

教育機関との連携①

大阪府のご協力のもと、 11/13に教育庁主催の教員向け「がん教育」研修を行います。

HPVワクチン接種対象者から、子宮頸がんに対して、「何が原因でがんになるのか、なぜワクチンで防げるのか、もっとちゃんと知っておきたかった。」「保健の時間でも何でもいいから教えてほしかった。もっと早くワクチン接種の判断ができたのに。」などのお声をいただき、それが教員向け研修の実施につながりました。

内容は、ワークショップ形式での対話から生まれる疑問や質問、医師からのがんの最新知識、がんサバイバーの方の講演を行います。

一人でも多くの接種対象者に正しい情報を届けるために、改めて教育との連携の大切さを感じ、医療と教育の協力はこれからも必要な課題です。

教育機関との連携②

11月の子宮頸がん予防月間に合わせ、大阪府の私立中学校に向けて、予防啓発資材の発送とSNS投稿企画をご案内しました。

ポスターなどの啓発資材と、保健室や学食など生徒の目につく場所に設置できるアクリルパネルとセルフィ用パネルをお送りしています。

本企画は、子宮頸がんの予防について、生徒の皆さまと保護者の方々がともに考え、未来の健康を自ら守る行動へとつなげることを目的として おります。
生徒の皆さまの健康教育の一助としてご活用いただけますと幸いです。

医療統計室より

医学部 医療統計学研究室の活動として、
岡愛実子先生・伊藤ゆり先生が、大阪大学や国立がん研究センターなどと共同で、大阪市の約1900の町丁字の地域別のHPVワクチン累積接種割合を分析し、地域の社会経済指標が高く、近隣のHPVワクチン接種ができる医療機関数が多いほど接種割合が高いことを日本で初めて明らかにしました。

この研究成果は、2025年3月13日に JAMA Network Open にオンライン公開され、子宮頸がんを防ぐための支援や環境づくりに役立っています。

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