「人生100年時代」と共生社会の実現に向けた私たちの役目
若い時に一生懸命働いて、老後はゆっくり過ごす。このようなイメージで人生を設計されていると思います。人生が80年から100年を迎え、老後は20年から40年に延びています。これは認知症のリスクと向き合う時間の増加をもたらします。豊かな老後生活を送るためには、認知症の発症と進行を遅らせ、認知症の症状を緩和させることが大切です。私たちは、認知症医療の提供を通して患者さんとご家族の穏やかな生活をサポートしていきます。
新しい「もの忘れ外来」の特色
リニューアルしたもの忘れ外来が、新病院本館の開設に伴い3階の神経・疼痛ユニット内に設置されました。一つのユニット内で、脳神経内科と精神神経科の専門医が診療にあたります。二つの診療科が得意とする専門性を発揮してトータルサポートを提案させて頂きます。ご利用しやすいように外来枠が増えております。ご活用いただければ幸いです。
1. 抗体を用いたアルツハイマー病の進行を遅らせる治療
アルツハイマー病は、軽度認知障害と軽度認知症の時期であれば、抗アミロイドβ抗体治療を行うことで進行を遅らせることが可能です。このお薬は早期に治療を開始するほど、進行を遅らせる効果が高いと考えられています。脳神経内科では抗アミロイドβ抗体療法に積極的に取り組み、多くの患者様の治療にあたっています。認知機能低下が心配されるときは、ぜひお気軽にご相談ください。
2. アルツハイマー病を始めとした認知症の診断ならびに認知症に伴う症状の緩和
認知症は、アルツハイマー病だけでなくレビー小体型認知症など多様な背景をベースにして発症します。例えば、アルツハイマー病では、意欲の低下、うつ傾向、様々な行動異常が問題となります。レビー小体型認知症では、幻視の出現、日中の過眠傾向といった問題が起こります。これらの症状は、ご本人やご家族の日常生活に大きな負担や支障をもたらすことがあります。精神科では、脳の構造や機能を評価する画像検査や、認知機能を詳しく調べる心理学的検査など、大学病院ならではの多角的なアプローチによって認知症の正確な診断と治療に脳神経内科と連携して取り組んでいます。そのうえで、認知症に伴ってみられる不安・抑うつ・幻視などの精神症状の緩和にも力を入れております。「もの忘れが増えた」「気分が落ち込みやすい」「生活に支障を感じる」といったお悩みがある場合には、どうぞお気軽にご相談ください。
外来診療担当
当院は日本認知症学会認定施設です。以下の体制で脳神経内科と精神神経科の医師が診療にあたります。
受診のご予約
受診をご希望の患者さんは、かかりつけ医にご相談ください。かかりつけ医から本院医療連携室にご予約していただき、診察日を事前にお取りいたします。
【お願い】診察及び検査時にはご家族の付き添いが必要です。受診日はご同行くださるようお願い申し上げます。