本文へ移動

トピックス

循環器内科 専門外来のご案内

公開日

当科では、循環器疾患の中でも高度な専門性を要する領域に対し、専門医が担当する専門外来を設置しております。
最新の診断技術とエビデンスに基づいた治療戦略をもとに、多職種連携による包括的診療を行い、地域医療機関との緊密な連携のもと質の高い医療を提供いたします。

循環器内科 科長 森田英晃

腎デナベーションを要する重症高血圧外来

本外来では、薬物治療のみでは十分な血圧コントロールが得られない治療抵抗性高血圧に対し、腎交感神経を標的としたカテーテル治療「腎デナベーション(Renal Denervation)」を専門的に実施しています。
高血圧は脳卒中、心不全、虚血性心疾患、腎不全などの主要な危険因子であり、厳格な血圧管理が予後改善に直結します。しかし、3剤以上の降圧薬を適切に使用しても十分な降圧が得られない症例が一定数存在します。こうした症例では、腎交感神経の過活動が病態に関与していることが知られています。
腎デナベーションは、腎動脈内から高周波エネルギーまたは超音波エネルギーを用いて腎交感神経を選択的に遮断する低侵襲カテーテル治療です。近年の大規模臨床試験により、その有効性と安全性が再評価され、国際的にも治療選択肢の一つとして位置づけられています。

以下のような患者様はご相談ください:
• 3剤以上の降圧薬を使用しても目標血圧に到達しない
• 薬剤副作用のため十分な内服継続が困難
• 若年発症高血圧で長期管理が必要
• 心肥大や心不全を合併する高血圧症例

診療担当医師:森田英晃、宍倉大介、楠本紘史

弁膜症外来

— Structural Heart Disease に対する高度集学的治療 —

本外来では、弁膜症を中心とした構造的心疾患(Structural Heart Disease)に対し、最新の低侵襲治療と外科治療を統合した高度専門医療を提供しています。
弁膜症治療は、単に「手術か否か」を判断する時代から、「どの治療を、いつ、どの患者に選択するか」を精密に見極める時代へと進化しています。当科では、循環器内科、心臓血管外科、麻酔科、放射線科、透析部門を含むハートチームを組織し、個々の病態・全身状態・長期予後を総合的に評価したうえで最適な治療戦略を決定しています。
________________________________________
低侵襲カテーテル治療の充実
当科では、構造的心疾患に対するカテーテル治療を積極的に導入しています。
■ 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)
開胸を伴わない低侵襲治療として確立されたTAVIを実施しています。
高齢者や外科的高リスク症例のみならず、全身状態を精密に評価したうえで適切な症例選択を行っています。
特に、透析患者に対するTAVIにも対応しており、腎機能障害を伴う症例に対しても安全性を重視した周術期管理を行っています。透析症例特有の高度石灰化や血管アクセスの課題に対し、経験豊富なチームで対応しています。
■ 経皮的僧帽弁形成術(MitraClip)
外科的リスクが高い症例や重症心不全合併例に対し、経皮的僧帽弁形成術(MitraClip)を実施しています。
心不全症状の改善および再入院抑制を目指し、厳格な適応判断のもと治療を行っています。
________________________________________
精密画像診断と適切な介入タイミングの判断
弁膜症診療において最も重要なのは、「適切な介入時期の判断」です。
当外来では、
• 専門医による高精度心エコー評価
• 心臓CT・心臓MRIを用いた三次元解析
• 冠動脈評価
• フレイル・全身状態評価
を組み合わせ、将来的な心機能低下や予後への影響を見据えた治療戦略を立案します。
弁膜症は、症状出現後のみならず、無症候期における精密評価と適切なフォローアップが極めて重要です。
心雑音を指摘された方、息切れや易疲労感を自覚される方、治療方針について専門的判断を希望される方はご相談ください。

診療担当医師:森田英晃、宍倉大介、赤松加奈子、藤岡慎平

成人先天性心疾患外来

小児期に診断・治療された先天性心疾患患者の成人期管理を専門的に行います。
先天性心疾患は成人期においても心不全、不整脈、弁膜症、肺高血圧症などの合併症を生じる可能性があり、継続的な専門的フォローが必要です。
循環器内科では毎週水曜日午後に、小児循環器科と連携し、長期予後改善を目指した診療体制を構築しています。

診療担当医師:佐々木博章(循環器内科)、酒谷優佳(循環器内科)、蘆田温子(小児科)、星賀正明(第3週のみ、循環器内科)

心Fabry病外来

ファブリー病は、ライソゾーム病の一種であり、男女ともに発症する可能性があるX連鎖性遺伝性の疾患です。X染色体上にあるα-ガラクトシダーゼA遺伝子(GLA遺伝子)の変異により、スフィンゴ糖脂質の代謝に必要なリソソーム酵素であるα-ガラクトシダーゼA(α-Gal A)の活性が一部または完全に欠損することで引き起こされます。α-Gal Aの活性が低いとスフィンゴ糖脂質がリソソーム内に蓄積し、その進行に伴い、神経因性疼痛、皮膚疾患、眼科疾患、消化器症状、腎疾患、心疾患、脳血管障害などを発症します。ファブリー病による心疾患を心ファブリー病といいます。
心ファブリー病では、左室肥大が高率に認められます。心電図や心エコーで左室肥大が認められ、心ファブリー病が疑われる患者さんがいらっしゃいましたら、是非、ご紹介下さい。
また、当科では従来より、外来でファブリー病に対する酵素補充療法を行っておりますので、当院での治療継続を希望される場合もご紹介下さい。

診療担当医師: 藤田修一

下肢動脈閉塞(PAD)外来

— 下肢虚血に対する集学的血管診療 —足を守り、歩き続ける未来へ。

末梢動脈疾患(Peripheral Artery Disease:PAD)は、主に下肢動脈の動脈硬化により血流が低下することで、歩行時の下肢痛(間欠性跛行)を引き起こす疾患です。進行すると歩行能力を大きく損ない、さらに重症化すると安静時疼痛、下肢潰瘍を呈する重症下肢虚血(Chronic Limb-Threatening Ischemia:CLTI)へと進行すると、下肢切断に至ることもあります。
本外来では、ABIや血管画像検査を用いた下肢虚血の評価から、血管内治療(Endovascular Therapy:EVT)による血行再建、さらに歩行能力の維持や下肢切断の回避を目標とした包括的な血管診療を行っています。

下肢血流の評価

PADの診断には、病変の部位・広がり・重症度を正確に評価することが重要です。当外来では、以下の検査を組み合わせて下肢血流を総合的に評価しています。
• ABI(足関節上腕血圧比)測定
• 下肢血管エコー検査
• 造影CTによる血管評価
• 必要に応じた血管造影検査

動脈硬化の包括的管理

PAD患者では、下肢の血行再建だけでなく、全身の動脈硬化管理が重要です。
• 当外来では脂質管理
• 血圧管理
• 抗血栓療法
• 禁煙指導
• 運動療法

血管内治療(Endovascular Therapy:EVT)

症候性PADに対しては、低侵襲な血管内治療(EVT)を実施しています。
• バルーン拡張術
• ステント留置
• 石灰化病変に対する専門的デバイス治療
• 慢性完全閉塞病変への血管内治療
• 下腿動脈病変に対する血行再建

病変部位や性状に応じて適切な治療法を選択し、安全かつ効果的な血行再建を目指しています。

多職種連携によるフットケアチーム

PADの重症度に応じて、治療戦略は大きく異なります。
CLTIに進行した患者では、足潰瘍や感染を伴うことも多く、血行再建のみならず創傷管理や感染制御を含めた総合的な診療が必要となります。
当院では、糖尿病内科、膠原病内科、皮膚科、心臓血管外科、形成外科、整形外科と連携したフットケアチームを構築し、多職種による集学的治療を行っています。
下肢救済と歩行能力の維持を目標としつつ、病態に応じては救命や感染制御を最優先とした適切な下肢切断も含め、患者さんにとって最善の治療を提供しています。

早期発見の重要性

PADは早期に診断し適切な治療を行うことで、症状の改善や重症化の予防が期待できます。
以下のような症状がある場合は、専門的な評価をお勧めします。
• 歩行時の下肢痛(間欠性跛行)
• 足の冷感・しびれ
• 足趾の傷が治らない
特に糖尿病や透析治療を受けている患者では、下肢動脈の石灰化が高度な症例も多く、早期の専門的評価が重要となります。
PADは早期発見・早期治療が重要です。適切な診療により、足を守り、歩行能力を維持することを目標としています。
間欠性跛行、難治性足潰瘍、下肢虚血が疑われる症例については、お気軽にご紹介・ご相談ください。

診療担当医師:山内洋平

関連記事