アレルギーの管理で大切なこと
アレルギーセンター
1.生活スタイルにケアを組み込む
スキンケアといえば毎日欠かさず行いたいケアですが、「仕事時間が長く合間で軟膏を塗る暇がない」、子どもであれば「学校や塾(習い事)がいそがしい」など、ゆっくりお風呂に入る時間をとることが難しい場合もあるでしょう。コロナ感染症が蔓延する昨今、外出から帰れば手洗いうが習慣化したと同様に、スキンケアも短時間で繰り返し行えるように習慣化してしまえば、負担に思う気持ちもなく続けることができるのではないでしょうか。
例えば、朝起きたら顔を洗うようにシャワーを浴び、下着を収納する場所に軟膏を置いておく。帰宅後は手洗いをするようにシャワーを浴び更衣をする。玄関先に日焼け止めを置いておくなど。
特別な時間を確保するのは難しいですが、生活の中の当たり前としてスキンケアに組み込むと案外と楽な気持ちで続けられるのではないでしょうか。
2.夜はよく寝る
睡眠時間の確保は、疲労回復や免疫機能の向上になくてはならないものです。ですが、わかっていても、寝る前の飲酒やネット鑑賞などから睡眠時間や睡眠の質に影響があることを行ってしまいます。 成長ホルモンの働きをご存じですか?成長ホルモンは単に「背が伸びる」だけのホルモンではありません。肌の修復に必要なセラミドの生成を行ってくれるアンチエイジングにも一役買うホルモンなのです。その成長ホルモンは、入眠後2時間後、特に23時から2時頃までの睡眠中に分泌が活性化されます。成長ホルモンは成人期以降は分泌低下はあるものの、大人になっても分泌されます。ですので、睡眠時間を確保して成長ホルモンの恩恵を受けない手はありませんね。
「寝たいけど、寝ようとすると痒みが出て眠れない」といった方もいらっしゃるでしょう。そんな時は、痒み止めや安定剤、薬剤の効果的な使い方などを医師と検討しましょう。また、快適な眠りにつくためのルーティーンも効果的です。照明や香り、室温や寝具の触り心地、眠る前の軽めの柔軟など、自分自身が心地がいいと感じることや感じるもので寝室を満たして、眠ることを楽しんでください。
3.バランスの良い食事摂取
食物アレルギーのある場合の原則は「正しい診断基準に基づいた必要最小限の原因食材の除去」です。血液検査でアレルギー体質であるといった結果があった場合、アレルギーを起こしたことのない食材であっても、摂取することに恐怖を感じて調理に取り入れない方や実際アレルギー食材があってもアレルギー症状が出ない調理形態や摂取量を知らず、全て除去する方も多いのではないでしょうか。
食べられない食材が多いと、おのずと人と食事をすることが億劫になります。食べられる食材が多ければ、楽しい会食での人とのコミュニケーションを円滑にするだけではなく、「美味しい物との出会い」「たべることの楽しさ」を感じ、生きる上でのQOLを高めます。そのためには、自分の具体的なアレルギー食材やアレルギー症状の出現する量などを正しく知ることが必要です。
4.アレルギーをもつ子どものセルフケアを高める
幼少期からアレルギーをもつ子どもでは、親御さんからの支援によって内服や皮膚のケアといった療養管理を生活習慣として受け入れるようになります。ですが、就学前後の社会性が広がる時期には、自分の行っている行為(療養管理)を友達と比べるようになり、「なんで僕だけ(私だけ)」といったマイナスイメージを抱くことも多くなります。療養管理を自分にとって大切な行為として捉えられるように、幼少時から親の行う療養管理は「あなたにとって特別で大切なこと」の理由を伝えながら関わることが大切です。また、子どもが療養管理を自分のこととして受け入れられるように、幼少であっても軟膏のフタをあける、内服のためのお水を準備するなど、小さなお手伝いから参加してもらうことをお勧めします。そして、子どもの理解や指や手の発達に合わせて、子どもができる療養管理を増やしていくことが大切です。
また、幼少の子どもでは喘息や食物アレルギーでの発作をおこしたことを 「神様の罰」や「自分が悪い子だから」といった罪の意識を抱くこともあります。もし、発作をおこした場合は、何がどのように悪影響だったかを伝えてください。また、上手にできたことや上手くいった療養管理を子どもの体調(具体的な)の安定と繋げて話すようにしてみてください。そうすることで子どもは、どうすると体調を安定させられるかを学ぶようになり、予防的な療養管理を身に着けることができるようになります。すなわちセルフケアを高めることができます。
生活の中にアレルギーとの付き合い方の組み込み方が難しいと感じる方、子どもの療養管理に難しさを感じる方、いつでもご連絡ください。