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完全大血管転位症:TGA

大動脈と肺動脈の心臓との接続が入れ替わった状態です。このため、大動脈が右心室から立ち上がっているために静脈血(一般的に酸素が少ない黒いまたは青い血液)が流れ、一方肺動脈は左心室から動脈血(酸素を多く含んだ赤い血流)が流れています。

赤ちゃんは生後直ぐに重度のチアノーゼをしめし、直ちに治療を必要とします。手術までに、まず生きるためには動脈管または卵円孔の開存が必要です。卵円孔はカテーテルで拡大することが可能でバルーン心房中隔裂開術(BAS)とよばれ、通常生後数日内に行われます。足の付け根の血管から風船付きカテーテルを卵円孔に通し風船を膨らませ卵円孔越しに引っ張って心房中隔を破きます。

基本的に手術が必要で、大動脈スイッチ手術(ジャテン手術)が生後1-2週で行われます。大動脈と肺動脈をひっくり返し正常の接続(大動脈は左心室から、肺動脈は右心室から)に戻し、心臓の筋肉を栄養するとても小さな冠動脈も新しい大動脈に移植します。1980年代後半までは行われていた、心房で血流の左右を入れ替える手術(マスタード手術、セニング手術)が行われることはほとんど無くなりました。

よくあるご質問

  • 完全大血管転位症(TGA)とはどのような病気ですか?
    完全大血管転位症(TGA)は、大動脈と肺動脈が正常とは逆の心室から出ている先天性心疾患です。そのため酸素の少ない血液が全身を循環し、生後早期から重いチアノーゼを生じます。 
  • 完全大血管転位症は重症の先天性心疾患ですか?
    はい。新生児期から生命に関わる重症先天性心疾患ですが、現在は大動脈スイッチ手術によって良好な治療成績が得られています。
  • 完全大血管転位症は胎児診断できますか?
    はい。胎児心エコー検査によって出生前に診断されることがあり、出生後の迅速な治療につなげることができます。
  • なぜ完全大血管転位症ではチアノーゼが起こるのですか?
    右心室から大動脈が出ているため、酸素の少ない静脈血がそのまま全身へ送られるからです。肺で酸素化された血液と混ざらないと、体へ十分な酸素を届けることができません。
  • 生まれてすぐに治療が必要なのはなぜですか?
    血液の混合が不十分な場合、全身の酸素不足が急速に進行するためです。新生児期から専門的な集中治療が必要となります。
  • 動脈管や卵円孔はなぜ重要なのですか?
    動脈管や卵円孔は、酸素の多い血液と少ない血液が混ざるための通路になります。これらが開いていることで、一時的に全身への酸素供給を維持できます。
  • バルーン心房中隔裂開術(BAS)とは何ですか?
    足の付け根の血管からカテーテルを挿入し、心房中隔を広げる治療です。右心房と左心房の間で血液が混ざりやすくなり、全身の酸素状態を改善します。
  • BASはいつ行われますか?
    多くの場合、生後数日以内に実施されます。根治手術までの間、全身状態を安定させるための重要な治療です。
  • 大動脈スイッチ手術(ジャテン手術)とはどのような手術ですか?
    入れ替わった大動脈と肺動脈を正常な位置に付け替え、さらに冠動脈も移植して正常な血液循環を再建する根治手術です。
  • 根治手術はいつ頃行われますか?
    一般的には生後1〜2週間頃までに行われます。できるだけ早期に正常な循環を回復させることが重要です。
  • 大動脈スイッチ手術を受けると治りますか?
    根治を目的とした標準治療であり、多くのお子さんで正常に近い血液循環が再建されます。ただし術後も定期的な心臓検査が必要です。
  • 手術後は普通の生活ができますか?
    多くのお子さんは成長後に学校生活や日常生活を送ることが可能です。ただし冠動脈や心機能の評価のため、継続的な専門外来でのフォローアップが推奨されます。
  • 手術後に運動はできますか?
    多くのお子さんは年齢相応の運動が可能になりますが、運動制限の有無は術後の心機能や検査結果に応じて判断されます。
  • 成人後も通院は必要ですか?
    はい。冠動脈、心機能、不整脈などを定期的に評価するため、成人先天性心疾患専門外来での継続的なフォローアップが推奨されます。